同じ場所にいないと何が難しい?リモートで働くフリーランスの本音対談 Article Image

同じ場所にいないと何が難しい?リモートで働くフリーランスの本音対談

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特定の組織に所属しないフリーランスは、自宅やコワーキングスペースなど取引先から離れた場所で仕事をする機会が多いでしょう。働く場所や時間を自分でコントロールできるのがフリーランスのよさですが、ときにはモヤモヤを感じるもの。

デジタルマーケティングコンサルタントの小杉雅幸さんは、稼働時間の大半を自宅で過ごす1人です。今では納得のいく働き方をつかめているものの、かつては仕事相手と物理的に空間を共有しない、リモートならではの居心地の悪さも経験してきました。

リモートで働くフリーランスは、モヤモヤしたときにどんな工夫で折り合いをつけているのか。自身もほぼすべての仕事をリモートで進めているフリーランスライターの能丸恵理子と語り合いました。

🎙小杉雅幸さん(以下、小杉)デジタルマーケティングコンサルタント 第2子誕生を機に、学生時代から一途に取り組み続けたデジタルマーケティング業界で独立。BtoB 営業の経験を活かし、企業のデジタルマーケティングおよび営業組織運営をコンサルティングしている。定期的に取引先へ打ち合わせにも出向くが、大半は自宅からリモートで働く。 https://www.sollective.jp/freelancer/kein07 🎙能丸恵理子(以下、能丸)ライター 夫の転職のため家族で地方移住したことがきっかけでフリーランスに。会社員時代に得た編集・執筆スキルをもとにライターとして活動している。ほぼすべての仕事をリモートで行う。 https://www.sollective.jp/freelancer/ErikoNormal

「全員カメラオフ」にモヤモヤ。リモート会議で顔を見る必要はない?

能丸:小杉さんは現在、毎週決まった曜日に取引先に出社し、残りはリモートで働いているんですよね。これまでもずっとそのスタイルなんですか?

小杉:一度も取引先と直接会わずに完了したプロジェクトもいくつかありますよ。問題なくできたプロジェクトもあれば、やりづらさを感じたものもありました。

能丸:やりづらいとは、どんな場面で?

小杉:そのプロジェクトでは定例でオンラインミーティングがあったんですが、なぜか毎回全員カメラオフだったんです。「はじめまして」のその日から、参加者の名前やアイコンだけが映った真っ暗な画面に向かって話さなければいけなかったんですよ。

能丸:それは話しづらい!カメラオンなら、自分の話にうなずいてくれてるとか、誰かが口を開こうとして発言が重なったとか、目に入るものから得られる情報に助けられますよね。

小杉:そう、だから何度もカメラオンにしましょうよって提案したんですけど、「別に顔を見る必要はない」と応じてもらえず。

能丸:私も、オンライン取材で同じくカメラオフだった経験があります。しかも、相手は5人でマイク1つという状況。声も聞き取りにくいし、相手が盛り上がってもついていけなくて疎外感を覚えました。

小杉:ミーティング以外にもチャットやメールで連絡を取り合うことがありますが、顔やキャラのわからない人から受け取るテキストって、ちょっとした表現に敏感になってしまうんですよね。「この語尾、怒ってるのかな?」「さっきの書き方、なんかまずかった?」ってずっとモヤモヤする。

能丸:物理的に一緒にいないからこそ、コミュニケーションに言葉以外の情報がほしいですよね。

小杉:オフィスで働いていた会社員時代は、雑談しながら親しくなることで仕事のやり取りがスムーズになっていたんです。疲れる時間帯に「コーヒーどうですか?」とかね。ちょっと古いかもしれませんが(笑)。

リモートだと、そういう相手と打ち解けるチャンスがないまま仕事の用件だけが来がちでしょう。ましてやリモートが自分1人だったりすると、私だけ仲間意識や信頼関係に格差がある状態。そこでたとえば相手から返信が遅れると、後回しにされてない?と疑心暗鬼になりやすいですよね。

こういうのは会社員時代には感じたことがない居心地の悪さなので、やはりリモート特有ではないでしょうか。

取引先でセミナー講師を務める小杉さん

取引先でセミナー講師を務める小杉さん

毎日会わなくても、コミュニケーションの工夫で信頼関係は築ける

能丸:すると、毎週取引先に出社する対面ミーティングは小杉さんにとって大事な時間ですね。

小杉:はい。出社した1日全部がミーティングではないし、ランチに行って仕事と関係のない話もするので、その日の効率は悪いかもしれません。でも、ここでメンバーと親しくなり、信頼関係を築くのが私には合っています。

「プロジェクトの一員として認められている」と実感できると、このプロジェクトのためにもっとがんばろうという気持ちにつながりますよね。出社の日に得たものが、リモートの日の仕事の質も高めていると思うんです。

能丸さんはほぼフルリモートですが、仕事を円滑に進める工夫はありますか?

能丸:私は成果物を出すとき、手渡しで説明できない代わりに「意図をこう理解してこの表現にしました」とコメントを添えるようにしています。

理解が合っていれば「さすが!」って返事をもらえてモチベーションが上がります(笑)。違っていても修正点が明確になるし、こういうすり合わせの積み重ねで取引先からの信頼も深まると感じますね。

コワーキングスペースで仕事をする能丸恵理子

コワーキングスペースで仕事をする能丸恵理子

リモートで抱く違和感の共有は、フリーランスとしての責任

能丸:先ほど、カメラオフのオンラインミーティングで「オンにしましょうと言い続けた」と話がありましたが、違和感を抱いたら取引先にも率直に言うほうですか?

小杉:はい、それはすぐ言うように心がけています。リモートだと仕事の要件以外飲み込んでしまいがちですよね。こう思ってるの自分だけなのかな?とか。でも声に出さずに改善されることってまずないですし、我慢が続くくらいなら早い段階で伝えた方がいいと思っています。

能丸:そうして自分から声を上げていい関係を作っていくのは、取引先のよきパートナーであろうとする責任感の表れだと思います。一方が我慢する関係ではいい仕事は生まれませんよね。

小杉:ありがとうございます。実は独立以来フリーランス同士でリモート事情を話す機会がなかったんですが、今日改めて「コミュニケーションの上に成り立った信頼関係を大切に仕事をしたい」という自分の思いに気づくことができました。

またときどき、Sollective のコミュニティでこんな話をしたいですね。

能丸:ぜひ、また話しましょう!

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