【最新版】フリーランスとは?「自由で誰でもなれる」は本当? Article Image
2025.02.19# Trends# Tips

【最新版】フリーランスとは?「自由で誰でもなれる」は本当?

Share:

多様な働き方の1つとして注目が高まっているフリーランス。「自由な働き方ができる」「誰でもなれる」といったイメージを持つ人も多いですが、実態はどうなのでしょうか。

今回は、ハイスキルフリーランスが集まるプラットフォーム「Sollective(ソレクティブ)」の運営を通して多くのフリーランスと関わってきたソレクティブが、一般的なイメージに対して、その実態を解説します。

フリーランスの定義とは

フリーランスの語源は、中世にまでさかのぼります。もともとは「フリー(自由)」と「ランス(槍)」を組み合わせた言葉で、当時はお金で雇われて戦争に参加する騎士のことを指しました。そこから転じて、現在は取引先と契約して働く人々を指します。

具体的には、中小企業庁が提唱する以下の説明が、現在の定義にもっとも近いといえるでしょう。

  • 特定の組織に属さず(=独立し)
  • 常時従業員を雇用しておらず(=1人で)
  • 消費者向けの店舗等を構えておらず(=店を持たず)
  • 事業者本人が技術や技能を提供することで成り立つ事業を営んでいる者(=仕事をしている)

フリーランスの実態とは

ここからは、よくあるフリーランスのイメージに対する実態を解説していきます。

「フリーランス=個人事業主」は本当?

フリーランスと聞くと、個人事業主を思い浮かべる人は少なくありません。

個人事業主とは、法人を設立せず個人で継続的な事業を行う人のこと。税務署に開業届を出し、提出後は毎年決められた時期に確定申告をする必要があります。「フリーランス白書2023」によれば、個人事業主として活動するフリーランスは約80%ここから「フリーランス=個人事業主」というイメージが大きく外れていないことがわかります。

ただし注意が必要なのは、「個人事業主ではないフリーランスもいる」という点です。これには「ひとり法人」と呼ばれる法人化をしているケース、会社員が副業を行っているケースなどが含まれます。実際、Sollective が独自審査で認定したハイスキルフリーランス(Sollective 認定プロ)のなかにも、法人化している人は多くいます。

こうした状況から、「フリーランスの大半は個人事業主だが、全員が当てはまるわけではない」という理解がもっとも現実に近いでしょう。

*¹ 出典:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2023

「フリーランスは会社員より稼げる」は本当?

収入の上限が会社によって決められている会社員に対し、フリーランスはやり方やスキル次第で収入をどこまでも上げられるというイメージを持つ人も多いでしょう。果たして、フリーランスは本当に会社員よりも稼げるのでしょうか?

収入についてはさまざまな調査があるため、単純な比較は難しいのですが、ここでは一例として、「フリーランス白書2023」と給与所得者を対象にした「令和5年分民間給与実態統計調査」の数字*³ を比べてみましょう。

フリーランスと正社員の年収分布を比較したグラフ

このなかで年収600万円以上に注目すると、会社員は23%であるのに対し、フリーランスは30.2%です。さらに年収1,000万円以上の割合は、給与所得者が5.5%なのに対し、フリーランスは10%と、たしかに会社員と比べて、フリーランスには稼ぐ人が多いといえるでしょう。

「フリーランスは労働時間が短い」は本当?

「自由に働ける」というイメージを持たれがちなフリーランス。実際に、労働時間は会社員より短い傾向にあります。

フリーランス白書2023」によると、稼働時間が140時間未満と答えたのは全体の50.2%。これを単純に4で割ると、ざっくり週34時間未満で、1日あたり7時間に満たない働き方です。

一方で、総務省統計局の調査によると、正規の職員・従業員で就業時間が週34時間以下の割合は12.6%*⁴。これだけ比較すると、たしかにフリーランスは平均的な会社員より労働時間が短いといえるでしょう。

ただし、その分フリーランスが生み出す価値が低いと考えるのは早計です。そもそもフリーランスの場合は無駄な会議や社内政治、煩雑な社内手続き等がありません。そうした実際の価値につながらない時間がない分、労働時間が短くて済むと捉えるのが自然でしょう。

また、会社員の労働時間は週35時間~59時間の間に集中しているのに比べて、フリーランスの労働時間は分散しているのも特徴です。つまり、一概にフリーランスの労働時間が短いというよりは、「フリーランスは自身に合った労働時間を選択しやすい」が実態に合った理解といえます。

フリーランスと正社員の週あたり労働時間を比較するグラフ

*⁴ 出典:総務省統計局「労働力調査基本集計2023年平均結果

「フリーランスは誰でもなれる」は本当?

働き方の多様化にともない、誰でもフリーランスになれるという謳い文句を聞くことも増えました。実際、フリーランスは誰でもなれるのでしょうか?

ソレクティブが年収700万円以上のハイスキルフリーランスを対象に行った調査*⁵ によれば、スキルや経歴、学習意欲について次の結果が出ています。

  • 半数以上が複数の専門性を持っている
  • 7割以上が10年以上の会社員経験を持っている
  • 学習時間が正社員の約35倍

ここから読みとれるのは、フリーランスとして成功しているのは、スキル・経験が豊富で意欲が高い人であるという傾向です。つまり、「フリーランスは誰でも始められるものの、成功するにはスキル・実績・意欲が必要」というのが実態に近いといえます。

*⁵ 出典:株式会社ソレクティブ「プロフェッショナルフリーランスの実態 社外プロ人材の価値をひも解く調査結果と活用ガイド

💡関連記事:フリーランスで働くキャリア上のメリット4:調査結果と成功者が語る新事実

「フリーランスはエンジニアばかり」は本当?

フリーランスの代表格ともいえる職種が IT エンジニアでしょう。しかし、フリーランス協会の調査を見ると、主な収入源となっている職種として「エンジニア・技術開発系」を挙げたのは18.0%*⁶ と、決して多くないことがわかります。

年収700万円以上のハイスキルフリーランスを見ても、開発職は同じく18.0%。ほかにはクリエイティブ職のほか、コンサルティング、営業、マーケティング・PRといったビジネス系職種や財務・会計などコーポレート業務まで多岐にわたります。

ハイスキルフリーランスの職種の多様性を表すグラフ

「フリーランスといえばエンジニア」というイメージは過去のものであり、現在は多様な職種の人材がフリーランスとして活躍する時代になりました。今後もこの流れはより加速すると考えられ、従来は社内で完結していた業務をフリーランスに任せることが増えると予想されます。

*⁶ 出典:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2024

フリーランスは高スキル人材が選ぶキャリアアップの一手段に

まとめると、フリーランスの実態は以下のとおりです。

  • 大半は個人事業主だが、法人や副業会社員の場合もある
  • 正社員よりも高所得を目指しやすい
  • 自身に合う労働時間を選べる
  • 誰でも始められるが、成功するにはスキル・実績・意欲が必要
  • IT エンジニアに限らず、多様な職種の人材が活躍している

フリーランスはこれまで一部の人が選ぶにすぎなかった選択肢ですが、今後はスキルや経験のある人材がキャリアアップの手段として見なすようになるでしょう。自身のキャリア選択や自社の成長機会を逃さないためにも、フリーランスについて実態に即した正しい理解が求められます。

次回はフリーランスをより理解するために、フリーランスを含めた働き方やライフスタイルの用語をまとめて解説します。

💡フリーランスに向いている人の特徴は?副業&独立のための6つの適性

Welcome to Sollective! We're a Japanese startup committed to 'proving the real value of freelancing'. Our platform is designed specifically for improving freelance in Japan. We're here not only to support freelancers in finding their perfect career path but also to educate Japanese companies in adopting agile organizations. Want to learn more? Learn more in the links below 🔗

deco