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IVS2023 KYOTO でエリカが語った、創業期のチーム作りと資金調達のポイント

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2023年6月末に開催されたアジア最大級の国際スタートアップカンファレンス IVS2023 KYOTO。梅雨の京都に約1万人のスタートアップエコシステム関係者が集結し、気温と湿度をさらに上げたのではないかと思われるほどの熱気を生み出していました。

イベント最終日に行われたセッション「語られない世界をぶっちゃける、VC とスタートアップ経営者だけが知る創業チームストーリー」には、ソレクティブ共同創業者兼 CEO のエリカがパネルスピーカーの1人として登壇。注目スタートアップの CEO として、創業直後の経験を赤裸々に語りました。

今回はそんなエリカの講演から、スタートアップの組織構築や資金調達のポイントをまとめてお伝えします。ソレクティブがどのようにチームを作り成長してきたのか、ぜひ知ってもらえるとうれしいです。

共同創業のメリットは創業者のケイパビリティが増えること

エリカがソレクティブを立ち上げたのは2020年1月。同じ会社で働いていたアレンと2人でのスタートでした。

1人ではなく共同創業という形を取った理由を、エリカは「1人でできることには限界があるから」だと語ります。「誰しも強みと弱みがあるなかで、もう1人いれば創業者が備えるケイパビリティ、つまり持っている経験やスキルの幅が広がりますから」。

実際に創業から今に至るまでのさまざまな場面で、エリカは共同創業者の存在に助けられているといいます。

「スタートアップの経営は常にジェットコースターに乗っているようなもの。そんななか共同創業者は背中を任せられる強い味方のような存在ですね」

創業直後はスピード重視でハイスキルなフリーランス中心のチームを構築

創業してまもない頃のソレクティブでは、メンバーのほぼ全員がフリーランス。その理由はスピードを何よりも重視していたからです。

「事業を始めるとき、自分にはよいアイデアがあると思っても、どこかで同じようなことをしようとしている人はきっといる。だからこそ、それを実現できるチームをいかに早く作れるかが勝負どころです。そのため、採用リードタイムの長い正社員ではなく、高い専門スキルを持つフリーランスに頼ってチームをすばやく作り上げていきました」

また事業ステージによって必要な人材の要件は変わります。HR のプロとしてその点を熟知しているエリカは、創業期から正社員で固めるのではなくフェーズに合わせて採用の形を柔軟に変えていくべきだと考えていたそうです。

創業4期目を迎えた現在でも、正社員の数は全体の2割ほどです。メンバーを正社員化するタイミングとして、エリカは2つのきっかけを考えています。

1つは、必要なリソース量が週40時間に達したとき。特にエンジニア以外の職種、たとえばマーケターやバックオフィスなどは本当に1人月分必要になるまでは、短時間フリーランスのサポートを得る方が資金を効率よく使えるでしょう。

もう1つは、そのメンバーのエンゲージメントが高く、フィーリングも合うと感じる場合。「そうしたメンバーに出会い、一緒に会社を作っていこうとなったときも正社員化する自然なタイミングなのかなと思います」。

また、一緒に働きたい優秀な人材に対して、業務委託での関わり方を戦略的に提案することもあるそうです。

「すごく優秀な人に対しては初期フェーズから正社員で迎えたいものの、こちらが創業直後だと『大丈夫なんだろうか』と心配されるケースもあると思うんです。そんなときに『副業でもよいので』と提案してとりあえず事業に関わってもらい、そこからどんどん引き込んでいくという手もあります」

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メンバーの多様性を保つために幅広い採用チャネルを活用

現在ソレクティブでは、正社員とフリーランスのメンバーを合わせて30人程度が働いています。創業者2人の段階からここまで、どのようにメンバーを増やしてきたのでしょうか。

まず候補者に出会う方法としてエリカが挙げるのは、あらゆるチャネルの活用です。スタートアップでは既存メンバーが持つつながりからの採用が多い傾向にありますが、リファラルばかりに頼る方法には弊害もあるといいます。

「リファラルもよい方法ですが、類は友を呼ぶという側面があるので似たような人ばかりが集まってしまう。でもスタートアップが成功するには、いかにダイバーシティを保てるかという要素も大きいと思うんです。だからこそ、ソレクティブでは幅広い採用チャネルを活用しています」

次に興味を持ってくれた人に対しては、できる限り会うようにしているそうです。食事や飲みのお誘いにもフットワーク軽く参加するというその理由は、「スタートアップの成功には運も大事だから」。運を引き寄せにいくために行動を惜しまないのがエリカのやり方です。

腹を割った明確なコミュニケーションで優れた人材を確保

ぜひ一緒に働きたいと思った人に出会ったとき、エリカが心掛けているのは相手に何を求めているかを明確に伝えることです。

「まずは目指している世界観を話したうえで『今こういう課題があり、それを解決するにはあなたの経験やスキルが必要だと思っている。だからあなたはこういう風にうちで活躍できますよ』としっかり伝えます。こうすれば採用のミスマッチが起こりづらく、ソレクティブには本当に必要な人に入ってもらえています」

もちろん優秀な人材を確保するにはそれなりの報酬も重要です。その設定において大事なのは腹を割ったコミュニケーションだとエリカは話します。

「初期の頃はキャッシュがほとんどないと思うので、『会社がここまで成長すればこれぐらい払える』というのを最初に伝えておくのが大事です。事業が伸びてきたら、今度は『この売上だからこのくらい払える』というリアルトークをする。そういう姿勢が信頼につながるのではないでしょうか」

自己資金で MVP を作ったあとに資金調達を開始

ソレクティブが初めての資金調達を行ったのは2021年7月です。そこに至るまでは、自己資金でプロダクト作りに注力していました。

初期の MVP の完成後にようやく資金調達活動を開始。その結果、シードラウンドで6,100万円の調達に成功しました。「プロダクトがあることで、投資家に対してどのくらい本気なのかを見せられた」とエリカは振り返ります。

また、「チームにどんな人材がいるのか」も投資家からよく聞かれる点だといいます。「スタートアップが成長するうえでは人がすごく重要。だからこそ、雇用形態や時間にかかわらず優秀な人に働いてもらえるよう力を入れています」。

その後ソレクティブは2022年12月にプレシリーズ A で約3.1億円を、さらに2023年8月には新たな投資家より追加で4,500万円を調達しました。

現在は続々とメンバーも増え、目指す世界の実現に向かって勢いを加速させています。今後のソレクティブにぜひご期待ください!

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