マンネリ化した正社員組織 × 異業界で経験を積みたいデザイナー【事例】 Article Image
2023.06.05# Case Study

マンネリ化した正社員組織 × 異業界で経験を積みたいデザイナー【事例】

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Sollective(ソレクティブ)を通して実現したコラボーションを紹介する「企業とフリーランスの幸せな協業」。

第2回で取り上げるのは、アート EC 企業の TRiCERA(トライセラ)と UI/UX デザイナー W さんの事例です。

TRiCERA の EC サイトにおける登録フロー改善プロジェクトに W さんが加わったのは2023年2月。プロジェクトが始まるとまたたく間に相性のよさを感じ、リリースが終わった今は購入フローの改善に向けて協業を続けています。

パズルピースのようにぴったりはまったこのコラボレーションはどのように実現し、それぞれどんな効果を得られたのでしょうか。TRiCERA でプロダクトディレクターを務める井上大輔さんと、HR・オペレーションマネージャーの石村恵さん、そして W さんに聞きました。

👤 W さん(UI/UX デザイナー) 学生時代からフリーランスのグラフィック&パッケージデザイナーとして活動。美術大学卒業後は国内テック企業やグローバル広告代理店で経験を積んだあと、現在のフィンテック企業に転職。2023年2月から副業を開始。https://www.sollective.jp/freelancer/Amon 🏢 株式会社 TRiCERA 「アーティストの世界進出をサポートする」をミッションに、グローバルアートマーケットプレイス TRiCERA ART を運営。アーティストが世界のコレクターやアートファンに自身の作品を自由に販売できる環境を構築するだけでなく、アーティストのキャリア形成もサポートしている。https://www.tricera.co.jp/

マンネリ化した正社員組織に、新たな視野を求めた副業ワーカーがすんなりフィット

— この協業が実現する前、それぞれどんな課題やニーズを抱えていたのか教えてください。

井上:実は TRiCERA では昨年、正社員だけですべてを進めようと動いていたんです。それでしばらくやっているうちに、内製化のメリットとデメリットがそれぞれ見えてきました。

よい面としてはメンバーの責任感が強くなる。でも、正社員はどれだけ結果を出しても給料が変わらないんですね。するとだんだん「これぐらいできたらいいや」という気持ちがどうしても生まれてきます。それに、正社員だけでプロダクトを作っているうちにマンネリ化しつつあったのも気になっていました。

一方、フリーランスは能力を発揮すると結果としてリアルに返ってきます。そして今の TRiCERA に必要なのは、そんなフリーランスが持つポテンシャルでした。そこで、フリーランスを採用してスピードと成果を求めていく方向にシフトしたんです。

特にチームに欲しかったのは、開発サイドの作業を考慮できる UI/UX デザイナーです。それまで社内ではエンジニアとデザイナーの意識がバラバラで、両領域がうまくつながっていなかったんです。だからこそ、そこをうまくつなげてくれる人が必要でした。

W:私はフィンテック企業で正社員としてずっと同じプロジェクトを進めるなかで、そろそろほかのこともやってみたいと考えていました。その前に勤めていた広告代理店では色んなプロジェクトに関わっていたのですが、その方が視野も広がるし自分には合っていたんです。

それに、フィンテックのプロダクトはわかりやすさが第一で、ルールも多い。それはそれで勉強になるのですが、私は美大卒ということもあり、もう少し美的センスが求められるデザインもやりたいなと思っていました。

— 協業が始まるまでのプロセスはどうでしたか?

石村:井上の要望を受けて私から Sollective の組織コンサルタントに相談したところ、TRiCERA の課題を理解したうえでぴったりの人がいると。それが W さんでした。

正直、紹介エージェントだと「ちょっと違うな」という人を紹介されることも多いんですが、Sollective は認定したフリーランスの働き方や経歴の情報をしっかり収集しているため、紹介する候補者について非常に理解している。それがほかの企業とは違う点ですね。

W:プロジェクトが決まるまでの面談は2回でした。最初から話しやすかったですね。私は副業ワーカーなので、時間を効率よく使うためにコミュニケーションに時間がかかるところは避けたかったのですが、TRiCERA との面接はすごくスムーズだったので安心しました。

組織に新たな風 × フリーランスの経験 UP という相乗効果

— 実際にプロジェクトが始まってみてどうですか?

W:めちゃくちゃ楽しいです!アート EC という領域が興味に合いますし、何よりもスピードが速い。本業のフィンテックなら新機能のブリーフィングから QA まで3〜6か月かかるのに対して、TRiCERA では1か月です。それに決まりごとも少ないため、新しい提案もしやすい。他業界かつスタートアップならではの進め方は新鮮です。

実は最初、正社員じゃないという点でほかのメンバーからどう思われるのか、少し不安がありました。ほかの人たちは1日8時間働いているのに、私が関われる時間が少ないというのも気がかりでした。でも入ってみたらみんな働く時間がバラバラで、まったく問題なかったです。

それに面接で感じたとおり、コミュニケーションもスムーズです。井上さんとは毎日話すのですが、何でも安心して聞けます。わからないことがあれば即質問という感じです。

石村:プロジェクトが始まってからも Sollective がフリーランスと企業の間に入ってくれるのがいいですよね。こまめに 1on1 をやっているとはいえ、直接言いづらいことが出てくるかもしれませんし。

井上:僕の方としてはもう、まさに望んでいた人が入ってくれて大満足です。W さんの参加によって組織に新しい風が入ってもともといたエンジニアやデザイナーにはよい刺激になっているし、W さんも TRiCERA のやり方を吸収している。とてもよい相乗効果が生まれていますね。

特に感じるのは、W さんが開発サイドを理解した UI を作ってくれるので、開発コストだけでなくコミュニケーションコストが大きく減ったこと。エンジニアはすぐに実装に取り掛かれるため、デザインについて質問や説明を行う手間と時間が省けたんです。それは評価ポイントとして高いですね。

W:そう言ってもらえて、すごくうれしいです。デザインは実装があって初めて世に出るものなので、エンジニアが仕事しやすいようにするのは自分のなかで大事にしているポイントです。本業がテック企業なので、この考え方が自然に身についたのかもしれません。

あと、TRiCERA にはあらゆるデータがあるのも大きいですね。デザインはどうしても主観で話しがちになりますが、数字があれば判断基準ができるので説明が省けます。データの重要性は誰もが頭ではわかっていることだと思うのですが、実践している企業は多くありません。だから TRiCERA で豊富なデータに基づいたデザインができるのはとてもよい経験になっています

W さんが実際にデザインした画面

W さんが実際にデザインした画面

プロジェクト遂行にとどまらず、将来の展望まで得られた協業

— 最後に、今回の協業を通して見えた今後の展望やアドバイスがあれば教えてください。

井上:今回の協業を経て、この先少なくとも半年はフリーランスを中心に回していこうと決めました。僕らみたいなスタートアップだけでなく、アジャイルでどんどんビルド&スクラップを繰り返したい企業にはこの形態が特にフィットするのではないでしょうか。

それは大企業も例外ではないと、実は思っています。企業で新規プロジェクトを進めたいと思っても、協力ベンターを探すところからのスタートになるとスピードが落ちる。でもフリーランスを採用すれば、スポットで1年間専門人材をアサインしてクイックに仮説検証を回せます。大企業こそフリーランス採用の恩恵を受けやすいのではないでしょうか。

W:今回の TRiCERA の仕事を通して、私は将来井上さんみたいなリーダーになりたいなと思いました。自分のセンスとスキルを発揮しながら楽しく仕事をできているだけでなく、リーダーのロールモデルまで見つけられた

そんな協業が実現したのは、やはり相性がよかったからではないでしょうか。だからこそ、面談ではしっかり相性を確認した方がよいと思います。

石村:今回、Sollective にお願いして本当によかったと思っています。企業にとって採用は時間とお金がかかるものですが、Sollective は二人三脚で一緒に考えてくれてとてもありがたかったです。

— 本日はありがとうございました!

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