取引先との関係構築や交渉のポイントは?覆面フリーランスの超本音対談 Article Image

取引先との関係構築や交渉のポイントは?覆面フリーランスの超本音対談

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一般的には、「立場が弱い」とされるフリーランス。仕事を「受ける」側ゆえ、たとえ報酬や業務の進め方に疑問を抱いても、仕事を失うことを恐れて自己主張できない人も少なくないようです。

しかし、価値に見合わない金額での受注や無理難題への対応を続けていては、フリーランス全体の価値を貶めかねません。高いスキルを持つ専門家として取引先とよい関係を築くには、適切な範囲で自己主張する姿勢が不可欠です。

今回は、フリーランスを取り巻く構造の変革に積極的な Sollective ギルドメンバーの2名が、取引先との関係作りや交渉経験を超本音で対談。そこからは、取引先と信頼関係を築いて適正な報酬や条件を得るために必要な考え方が見えてきました。

🎙Yu さん:映像クリエイター
フリーランス5年目。海外在住期間が長く、現在は東京の企業に正社員として勤務する傍ら、映像制作と写真撮影を軸に活動中。

🎙Maya さん:コンテンツコンサルタント
フリーランス7年目。独立前に国内外での勤務経験があり、現在もグローバル企業との取引が中心。

取引先との関係の「立ち位置」は自分で決めていい

Maya:私は正直、取引先に遠慮して何か言えないことはあまりないかな。取引って価値とお金の交換だから、報酬や条件を交渉するのは当然だし、自分の価値はこれぐらいです、と普通に言ってる。相場よりは少し高いかもしれないけれど、その価値を返せるだけの自信があるし、その姿勢が相手にも安心感を与えるんじゃないかな。

Yu:僕も同じ。思うんだけど、取引先との関係性を最初から上下関係のように決めている人が多いよね。でも、立ち位置は自分で決めていいと思う。

Maya:たしかに、立ち位置によって関係性も交渉への姿勢も変わってくるもんね。そういう意味では私は常に対等なパートナーだと考えてるかな。私が価値を発揮できないと貴社も困りますよね、ぐらいに思ってる。

Yu:自分のメンタルヘルスを守るために自己主張するのは、独立した事業者としてのフリーランスの責任だしね。No と言ってもいいはずなのに、空気を読まなきゃいけない、相手の期待に応えなきゃいけないと勝手に思い込んでる人が多いのでは?と思うこともあるよ。

Maya:自己主張するためには、まず自分がどうしたいのか、どんな状態だったら気持ちよく仕事ができて、価値を最大限に届けられるのかをわかっていることが大事だよね。それを相手に伝えるかどうかはともかく。そこが明確じゃないと、取引先から言われることに振り回されてしまうかもしれない。逆に境界線をきちんと決めておけば、いい取引先選びにつながる気がする。 

Yu:セルフリスペクトがあるから、相手からもリスペクトされるんだよね。

取引先と交渉している風景の写真を背景に、「取引先のためになることはやっぱり言うべきだし、それがプロとしての責任」という文

人間対人間の関係を築くことで、信頼は生まれる

Maya:リスペクトって、私が取引先との関係で一番重視することかもしれない。相手がこちらのスキルや専門性をきちんと尊重してくれるかどうか。少しでも下に見ているような雰囲気が感じられたら信頼関係を築けないし、いい協業ができるはずもない。そうなると私も最大限の価値を返せないので、その仕事は降りる。きちんと価値を届けるのは、事業を続けるうえで何よりも大事だしね。自分の評判にも関わるし。

Yu:実際に仕事を降りたことある?

Maya:あるある。何年か前だけど、合意したプロセスをちゃんと守ってくれない取引先があったんだよね。そのうえ連絡への即レスまで求められて、部下のように扱われている気がしたからその仕事は降りた。報酬はよかったけど、それよりも尊重されていることの方が大事。

Yu:僕はコミュニケーションを重視してる。映像を作るときって、お互いが想像している最終形態が同じになるよう、考えていることやニーズをお互いにちゃんと言語化できて、話し合えることが重要なんだよね。だから取引先には結構いろいろ言うけど、それは相手のことを思っているからこそ。最初の段階で「自分はそういうコミュニケーションスタイルです」と伝えることで、率直に意見を伝えたときに「この人本気で思ってくれるんだ」と思ってもらえるから、深く真剣に話し合えることが多い。逆に、そう捉えてくれない会社とは仕事をしないかな。

Maya:相手のことを思っているから言う、というのはすごくわかる。私も取引先からのフィードバックに疑問を抱いたらちゃんと指摘してる。うるさいと思われるかも、と迷うときもあったけど、取引先のためになることはやっぱり言うべきだし、それがプロとしての責任だと思うから。

Yu:あともう1つ大事なのは、取引先との距離感。これは僕のわがままかもしれないけど、できるだけありのままで一緒に仕事できる方が単純に楽しい。伴走する相手と楽しくやっていける方が最終的にアウトプットの質も上がるしね。プロジェクトが終わるまでお付き合いする相手だからこそ、仲よくできるのは重要じゃないかな。

Maya:結局、取引って人間対人間の関係じゃない?人間同士の信頼関係を築ければ心理的安全性が生まれるし、距離も縮まってコミュニケーションもスムーズになるよね。私の場合は、そのベースにあるのがお互いに対するリスペクトなのかもしれない。

Yu:取引先をお金をくれる相手としてしか捉えていないと、関係は発展しない。だから、まずは人として見て、それで味方にすることが大事。実際に僕は、仕事を離れたら友達付き合いできる人とのみ取引するようにしてる。

Maya:私も、取引先の人とは個人的な話もするし、取引が終わっても仲よくさせてもらってるケースが多い!

パソコンを前に仕事をしている女性の写真を背景に、「独立時につくった事業ビジョンとミッションが自分軸をもつ支えになった」という文

よりどころとなる軸を持ち、専門家の目線で交渉する

Yu:報酬とか条件の交渉って具体的にどうやってる?

Maya:たとえば案件の相談を受けたときに先方が「こんなことしてほしい」という要望を持っていても、そのとおりに進めた方がいいケースって少ないんだよね。これまでいろんな企業と仕事してきた分、その領域の経験は私の方が豊富なことも多い。だから、たいてい「それだったらこうする方がいい」と提案して請け負う内容を決めていく。そうして契約の主導権を握って条件や報酬を詰めていくんだけど、そのときに業務内容と料金を松竹梅の3パターンで示すことが多いね。

Yu:こっちは専門家だから、その視点で提案すると実際に喜ばれるよね。ただ言われたことを引き受けますという姿勢では、下請け扱いを脱せない

Maya:そうそう、「自分ならではの価値を返せる」という自信を見せることで、パートナーとして尊重されることにつながると思う。そのためには、自分の価値をしっかり説明できるようになることが必要だよね。

Yu:フリーランスの一番いいところは、自分が決定権を持てる点。だから自分で軸を定めて、相手にそれをきちんと伝えることも大事だよね。

Maya:今思い出したけど、私フリーランスとして独立したときに、事業のビジョンやミッションを作ったんだった。今思えばそれが自分のよりどころになってるね。

Yu:僕も作った!そういう軸とか、さっき言ってた境界線など、自分が頼れるものを用意しておくことが、交渉とか関係作りをうまく進めるポイントなのかも。

Maya:あとは、何とかなるって思考も大事。私は結構楽観的だから、「仕事を失ったらどうしよう」とかはあまり考えない。

Yu:わかる。正解はないけど、選べる自由があるのは大きいよね。可能性は無限にあるから、たとえ1つうまくいかなくても、どこかに絶対別の道がある。そこを信じていないと沼にはまりがち。

Maya:そう考えると、実は一番大事なのはその楽観性なのかもしれないね。

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