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2023.10.19# Tips

フリーランスの経理、毎月やること一覧&各注意点を総まとめ

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前回の「フリーランス経理入門」では、初仕事を始めるための「契約」のポイントを解説しました。開業後初めての契約が終わりいよいよ仕事が始まると、次にやることは毎月の経理です。

フリーランスにとって、正しく税金を納めるためには経理業務が欠かせません。とはいえ経理が本業でない限り、時間や手間はなるべく抑えたいもの。そこで今回も税理士監修のもと、フリーランス初心者の皆さんが経理業務を正しく効率的に進めるられるよう、毎月やることと注意点をまとめました。なおフリーランスが支払うべき税金については「1年目&2年目の年間スケジュール・保存版」を参照してください。

フリーランスの経理、毎月やることは基本的に3つだけ

フリーランスの経理業務で毎月やることは3つ。ただし外部に業務を委託した場合は、さらに2つが加わります。

📝基本のタスク ・請求書の発行 ・経費の記録と領収書の整理 ・入金の確認 ➕外部に業務を委託した場合 ・業務委託先からの請求書の回収 ・業務委託先への支払い

ここからは、請求書、経費の記録、そして業務委託先がある場合のポイントをそれぞれ解説します。

請求書の作成では消費税や源泉徴収などに注意

請求書に決まった形はありません。ただし、最低限含めるものとしては請求日、請求額、請求人、請求先、請求内容、インボイス登録番号などがあります。支払期限や振込先を含めるケースもありますが、契約書に明記されている場合必須ではありません。

請求書の作成で特に注意したいのは税金に関わる部分。つまり消費税、源泉徴収、インボイス登録番号、立替金の消費税率の4つです。

①消費税:契約金額が外税の場合にのみ、税額、税率、対象額を追加

請求書に消費税を含めるかどうかは、契約時の取り決め次第です。契約金額が内税の場合は請求書に消費税を追加する必要はありません。一方、外税の場合は売上の10%を消費税として追加します。

2023年10月1日からは、消費税額に加えて消費税率と対象額の明記が必須になったので注意しましょう。なお、取引先が海外企業で役務が輸出に当たる場合は消費税を請求できません。

💡関連記事:フリーランスの初仕事!契約書が必要な理由と確認ポイントを一挙解説

②源泉徴収:一部職種では源泉徴収が必須

企業が執筆、翻訳、士業、グラフィックデザイン等の業務を外注する場合、所得税と復興特別所得税を源泉徴収する義務があります。源泉徴収とは、企業が発注先(この場合フリーランス)に代わって税金を納めるしくみです。

対象のフリーランスは請求書を作成する際、それら税金として税込売上の10.21%を差し引かなくてはなりません。ただし消費税が外税の場合は税抜売上の10.21%とできるため、請求金額は売上-源泉(売上 × 10.21%)+消費税(売上 × 10%)となります。

源泉徴収が必要な職種は国税庁のウェブサイトに掲載されていますが、判断が難しいケースもあるため請求書作成前に取引先に確認すると安心です。

③インボイス登録番号:登録事業者は正しい番号を記載

2023年10月1日から始まったインボイス制度に登録した人は、登録番号の記載もお忘れなく。その際、番号に間違いのないよう注意してください。万が一間違っていた場合、発注元企業にペナルティが課される可能性があります。

💡関連記事:免税事業者向け!インボイス登録の決め手はこの2つ【税理士監修】

④立替経費の消費税率:品目によって消費税率が異なるので注意

交通費や資料代、打ち合わせや取材時の飲食代など、立て替えた経費があれば請求書に含めましょう。取引先が課税事業者の場合は、インボイス制度の開始にともない、いくつかの注意点があります。

まず、経費の消費税額とその税率、対象額も別途記載しなければなりません。特にテイクアウトした飲食代などは軽減税率の対象であり、消費税は8%です。10%のものと8%のものを分けて記載するようにしてください。

不安のある人は、クラウドで作成・管理できる請求書ツールの活用がおすすめです。『請Q® by Sollective』は上記のすべてに対応した完全無料のツールで、ナビゲーションに従うだけで正しい請求書を作成できます。ぜひ試してみてください。

💡関連記事:フリーランスに特化した請求書を使うべき理由とは?『請Q』利用者と開発者の声🎙

経費の勘定科目や記録方法、迷ったらここを参考に

経費の記録や領収書を溜め込むとなかなか大変です。最低でも月に一度、時間を決めて処理しておけば、年明けの確定申告シーズンには書類を作成するだけで済みます。

経費の記録で迷うのが「どの科目で計上するか」ですが、実は使うべき勘定科目が厳密に決まっているわけではありません。ここでは特に迷いやすい支出と目安となる科目をまとめたので、迷ったときの参考にしてください。

記録方法で押さえておきたいのは次の2つです。

・家で仕事をする場合の家賃や光熱費:自宅で仕事をする場合は確定申告時に「家事按分」を行います。按分率に決まりはなく、原則は「仕事に使った分だけ」です。仕事に使った職場スペースや時間の割合、車なら仕事での走行距離、水道なら仕事中に使った使用料などを目安にしましょう。

・在来線の交通費:会社で交通費を申請するように、月毎に別途交通費明細を作り、その合計金額を「旅費交通費」として登録しておけばOKです。仕事専用の交通ICカードがある場合は、チャージするたびに計上してもかまいません。

外部に業務を委託した場合は、請求書の内容が正しいか確認

自分が支払いを行う立場の場合、毎月業務委託先から請求書が期限どおりに届いたかどうか確認しましょう。内容で特に確認すべきポイントは次のとおりです。

・契約書の内容と一致しているか:支払い期限、内税or外税、振り込み手数料の扱いなどが契約書と同じかどうか確認してください。

・源泉徴収が含まれているか:源泉徴収は発注元の義務であり、徴収漏れはペナルティの対象になります。該当職種の委託先からの請求書から源泉徴収が漏れていないかチェックしましょう。

・インボイス事業者の場合、正しいインボイス登録番号が含まれているか:皆さんがインボイス事業者の場合、業務委託先のインボイス番号が正しいかどうか必ず確めましょう。万が一、インボイス番号に不正があった場合は、発注元である皆さんにも責任が問われます。登録事業者の番号は国税庁のウェブサイトで照合できます。

・金額計算が合っているか:エクセルなどで作成された請求書の場合、合計金額と明細合計がずれている、数式が間違っているなどの初歩的なミスが少なくありません。毎回電卓で確認しましょう。

また、支払いが遅れないよう細心の注意が必要です。特に支払日が土日祝日に該当する場合は、忘れず前営業日に支払いを済ませてください。

クラウド会計ソフトを使う場合も、簿記の基礎知識があれば心強い

クラウド会計ソフトに事業用の銀行口座やクレジットカード、各種Eコマースサイトのアカウントを連携させておけば、明細が自動的に取り込まれるだけでなく勘定科目も提案してくれるので便利です。また、10月からはレシートを読み取ってインボイス登録事業者かどうかも自動で判断する機能も登場しました。最初に設定すればあとから楽になりますので、こうした機能は積極的に活用しましょう。

とはいえ、システムに丸投げするのは危険です。どういう理由で何に支出したかは皆さん自身にしかわからないため、最終判断は自分が行わなければなりません。そこで役立つのが簿記の基礎知識です。

「フリーランスの経理入門」シリーズを監修する西浦税理士のおすすめは『フリーランス1年目の経理』と『フリーランス必見! 税理士TikTokerの経理・節税Q&A』。ぜひ参考にしてください。

次回のテーマは確定申告です。お楽しみに!

Contributor / Keiichiro Nishiura(公認会計士・税理士) Sollective : https://www.sollective.jp/freelancer/keiichiro-nishiura Twitterhttps://twitter.com/Keiichiro_ni Writer / Yuna Park Sollective:https://www.sollective.jp/freelancer/Yuna/ LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/yuna-park-9a802411b/ note:https://note.com/yunapark

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