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2023.12.26# Tips

フリーランス1年目の総決算!初めての確定申告に備える3つのポイント

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12月はフリーランスの初決算月。そして2月にはいよいよ初めての確定申告がやってきます!

これまでニュースなどで見聞きしてきた確定申告も、個人事業主として行うとなれば漠然と不安が募るもの。間違いなくできるだろうか、どのくらい時間がかかるのか、e-Tax はうまく使えるか...と年末からそわそわと落ち着かない気分になるかもしれません。

何ごとも、備えあれば憂いなし。安心して確定申告シーズンを迎えられるよう、3つのポイントを一緒に押さえましょう。

確定申告で行うことは「所得」「控除額」「税額」の確定

確定申告とは、1月1日~12月31日の所得税を翌年2月16日~3月15日に、消費税を翌年1月1日~3月31日に申告および納付する制度です。フリーランス1年目の確定申告で行うことは、ざっくり次の4つです。

🚩所得の確定:フリーランスとしての事業所得を「売上-経費」で算出します。また、勤めていた会社を年の途中で辞めた場合は給与所得の申告も必要です。

🚩控除額の確定:控除とは、所得や税額から、一定の金額を差し引くことです。それにより課税所得や税額が決定します。

🚩支払額または還付額の確定:すでに源泉徴収された税金がある場合はその額も申告します。それにより、所得税の支払額あるいは還付額が決まります。

🚩納める消費税額の確定:課税事業者は、原則として「売上に伴い受け取った消費税」から「経費に伴い支払った消費税」を差し引いて、納める消費税額を算出します。

確定申告をスムーズに進めるには1月中の準備が肝心です。申告時期には「入力するだけ」で済ませられるよう、ここからは準備のポイントを3つ見ていきましょう。

準備①必要なものを揃える

確定申告には、さまざまな書類が必要です。申請の段になって慌てないためにも、今のうちに必要書類が揃っているか確認しましょう。

勤めていた企業からの源泉徴収票

1~12月のどこかで退職した場合は、勤めていた企業が発行する源泉徴収票が必要です。これは、「所得の確定」と「支払額または還付額の確定」に使います。

確定申告書類には給与および退職所得の金額を記入する欄があります。そこには源泉徴収票に記載された金額をそのまま書き写せば OK ですが、それで終わりではありません。

というのも、給与所得からは所得税が源泉徴収されています。つまり、給与所得のあった人は所得税と住民税の一部をすでに納めているのです。そこで確定申告で源泉徴収額を申告すれば、退職後フリーランスとして得た事業所得にかかる税金から、すでに納めた分が差し引かれます。

ほかに源泉税がなければ源泉徴収票に記載された金額を確定申告書類に書き写せばよいのですが、注意したいのはライターや翻訳者、グラフィックデザイナーなど源泉徴収の対象となる職種です。この場合、フリーランスとしての事業所得からも源泉徴収されているので、その金額と合算するのをお忘れなく。

源泉徴収票は退職後1か月後ぐらいで自宅に届いているはずです。探してみても見当たらない場合は以前勤めていた会社に問い合わせてみてください。

各種控除証明書

控除には、所得から引ける所得控除と、税額から引ける税額控除の2種類があります。控除を最大限活用するためにも、その根拠となる書類をもれなく揃えましょう。代表的な書類は次のとおりです。

所得控除できるもの】 ・国民年金および国民健康保険の記録 ・生命保険、地震保険 ・iDeCo、小規模事業共済金掛金 ・ふるさと納税証明書(ワンストップ特例を使わない場合) ・医療費領収書、セルフメディケーションのレシート 【税額控除できるもの】 ・住宅ローン残高証明書

なお医療費やふるさと納税の記録はマイナポータルで確認できる場合もあります。ただし、連携がスムーズでない可能性も考えられるため、領収書が手元にあると安心です。

e-Tax の動作確認

申請をスムーズに進めるためには、e-Tax の動作を確認しておくと安心です。使ったことのないシステムを触るのは何かと不安なもの。少しでも不安要素を減らすために、マイナンバーカードでログインしてみましょう。マイナンバーカードがない人は、ID とパスワードを e-Tax のウェブサイトで取得できます。

準備②売上と経費は申告期間前に確定させておく

フリーランスとしての事業所得を算出するには、売上と経費を確定させる必要があります。

売上の確定

売上は入金ではなく業務を行った月ベースで計上されるため、12月分の請求額は当年の売上になります。なお、売上を調整するために売上を抜いたり1月分として請求するなどの恣意的な操作は絶対にやめましょう。場合によってはペナルティの対象になります。

源泉徴収の対象となる職種には、取引先から支払通知書が発行される場合があります。そこに売上も記載されるものの、必ず発行されるわけではないうえ、支払通知書には文字通り「企業が支払った分」しか記載されず12月分が含まれないケースも。漏れなく申告するには、自分の請求書ベースで集計するのがおすすめです。

経費の確定

領収書の整理や経費入力がたまっている人は確定申告前に済ませてしまいましょう。こまめに入力していた人も、抜け漏れや重複がないか見直すとよいでしょう。

経費のなかでも迷うのが家事按分です。「フリーランスの経理、毎月やること一覧&各注意点を総まとめ」でも説明したとおり、家事按分とは私用と仕事用を兼用する支出について、その一部を経費として計上できるしくみです。対象となるのは主に家賃、光熱費、インターネット料金、電話料金、車のガソリン代などです。

按分率は任意で決められますが、その際に大事なのは合理的に説明できるかどうか。面積、使用時間、走行距離など、自信を持って説明できる根拠があれば何パーセントでもOKです。なお当然ながら、100%私用の支出は経費に含めることはできません。

課税事業者は消費税も確定を

消費税の確定申告を行う場合は、所得税とは別に消費税の申告書を作成しなければなりません。

もともと開業1年目のフリーランスは、全員が消費税の納付を免除されていました。しかし2023年10月に始まったインボイス制度を機に、フリーランス1年目でもインボイス事業者として登録した人は、9月末まで免税事業者、10月から課税事業者となり、10月~12月の消費税を確定申告する必要があります

消費税の確定申告では、原則として10月1日以降の全レシートを確認し、免税事業者・課税事業者に支出した経費をそれぞれ会計ソフト上にきちんと登録しなければなりません。また軽減税率(8%)対象の支出は税率が10%のものとは分けて計算する必要があり、作業が煩雑になると予想されます。

そこで、経費が少ない場合は2割特例を使うのがおすすめです。2割特例とは、売上に伴って受け取った消費税の20%を納める制度です。たとえば10~12月の税込売上が500万円の場合、消費税に相当する50万円に20%をかけた10万円が納税額となります。この場合、消費税の記帳や差し引きの必要はありません。

💡関連記事:免税事業者向け!インボイス登録の決め手はこの2つ【税理士監修】

準備③申告作業時間を2月中に確保しておく

最後のポイントは、カレンダー上で2月中に申告作業を行う時間をブロックしておくこと。2時間ほど確保しておけば安心です。

3月14日などの所得税の確定申告の締め切り間際は e-Tax へのアクセスが集中し、過去には障害が発生したこともあります。また2月中に申告しておけば、万が一内容に間違いがあっても、期間内であればペナルティなしで修正申告が可能です。

申告期限を過ぎての修正申告は、ペナルティの対象になる場合もあるので注意してください。また3月15日は所得税の申告だけでなく納付の期限でもあります。申告だけ終えて納付を忘れているとこちらもペナルティの対象になるので、支払いが必要な人は忘れないようにしましょう。

申告書類は7年間保管を

確定申告が終わって開放的な気分になっても、書類を捨ててしまわないように。実は、個人事業主には申告書や関連書類を提出期限の翌日から最低7年分保管する義務があります。2023年分の申告書類は、少なくとも2031年の3月末までは大切に保管しておいてください。

初めての確定申告はとにかく余裕が大切。今のうちに少しずつ備えておきましょう。

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