ここでしか語られない!請求書作成サービス『請Q』の開発秘話を大公開
フリーランス・副業ワーカーの誰もが無料で使える請求書作成サービス『請Q』。実際に使った皆さんからは「使いやすい!」との声が続々と届いています。
そんな請求書が生まれた背景には、ソレクティブ開発チームの徹底したフリーランスファーストな姿勢がありました。
今回は、先日開催したイベント「請Q ローンチイベント! 世界で活躍するプロダクトチームが開発の裏側を大公開!」から、ソレクティブのデザイナーやエンジニアのこだわり、苦労したポイント、そしてユーザーのリアルボイスをお届け。読めばきっと、『請Q』がなぜフリーランスに支持されるのかわかるはずです。
フリーランスファーストを体現したデザインプロセス
フリーランスにとって本当に使いやすい請求書とはどういうものか。その答えを求めて、UI/UX デザイナーのジェフは3段階のアプローチを採りました。
① 既存類似ツールのリサーチ
日本には、似たような請求書作成・発行ツールがすでに存在しています。そこでジェフは、まずそれらツールを UX 観点から分析しました。
すると、ほとんどが会計士や税理士向けに作られているものだと判明。どれも情報量が多く、仕様が複雑なのも気になったそうです。この段階で、ジェフのなかに「フリーランスは業務が多岐にわたるため、請求書は誰でも簡単に使えるシンプルなデザインであるべき」という方向性が生まれました。
② ユーザーリサーチ
次に行ったのは、実際のフリーランスの皆さんへのヒアリングです。ソレクティブには認定フリーランスの皆さんが集まるコミュニティがあり、日頃から情報共有やイベントを活発に行っています。
そこでジェフは、そのコミュニティメンバーが何に困り、どんな機能を必要としているのか直接ヒアリング。すると「既存の会計ツールは使いづらい」「自分の請求内容が正しいのかわからない」などさまざまな声が集まりました。
③ デザインと仕様の定義
こうしてフリーランスの請求書作成における課題を理解した結果、重視したのは次の3つです。
実行段階ではまず、よくある請求書作成ツールの UI を参考にデザインを作成。すると項目が多く、スプレッドシートのようなものが出来上がりました。
こうしたデザインは多くのユーザーにとって馴染みがあるものの、視覚的に何がどこにあるかわかりづらく、進捗を示すものもありません。それに情報が多すぎて、集中力も途切れがちになります。
そこで初期デザインをベースに改良を進め、必要な情報がすぐに見つかるように工夫しました。それだけでなく、入力箇所がひと目でわかるようにポップアップ機能を追加したり、今どの作成過程にいるのかを見える化したりすることで、最終デザインでは誰でも迷わずに作成できる請求書が生まれたのです。
源泉徴収と経費精算の悩みをデザインで解決
デザインプロセスのなかで、ジェフが特に解決したかったのは源泉徴収や経費精算に関する課題でした。
フリーランスの源泉徴収有無は業務によって決まります。たとえば、デザイナーであるジェフには源泉徴収が必要ですが、エンジニアのウグには必要ありません。
しかしそれを正しく把握しているフリーランスは少ないようです。実際にコミュニティへのヒアリングからは「自分の仕事が対象になるのかわからない」と悩む人が多いと知ったジェフは、業種から源泉徴収の有無を自動で判断する機能を追加したのです。
もう1つ、コミュニティメンバーを悩ませていたのが経費請求の手間です。実際に、交通費などの経費を請求する際、ほとんどのフリーランスが請求書とは別に経費精算書を作成していました。
この手間を省くために、ジェフは経費も一緒に請求できる仕組みを導入。領収書の添付やメモの追記もできるため、関連資料を一括で管理できるようになりました。
イベントで『請Q』のデザインについて説明するジェフ
「本当に使いやすい請求書」の基盤を整える開発
『請Q』は、フリーランスが必要とする機能をすべて備えた請求書です。しかしフロントエンドエンジニアのウグによると、その実装はすべてがスムーズに進んだわけではありません。
なかでも苦労したのがテンプレートの表示です。『請Q』では請求書作成の手間を最小限に抑えられるよう、源泉徴収税あり・なし、源泉徴収税 + 経費あり、という3種類のテンプレートを用意したのですが、人によって請求書の表示方法は異なります。そうしたあらゆるケースに対応できるよう、モバイル、ブラウザ、PDFなどどこからでも違和感のない見せ方を実現するのは、エンジニアとしての経験が豊富なウグでもかなり難しい作業だったといいます。
また『契ラク® by Sollective』との連携では、契約書と請求書の内容に不一致が発生しないよう細心の注意を払ったそうです。
そのために、まず『契ラク® by Sollective』自体をアップデート。請求書上の取引先情報がそのまま請求書に反映されるよう、取引先の住所や役職名、名前を姓・名で分けるなど、いくつかの項目を追加しました。
また、委託業務内容や報酬額、支払期日、委託者・受託者も正しく自動表示されるよう工夫が必要でした。契約書で支払い期日が「請求書受理後10日」と指定されているのに対して、請求書上で日付を正しく表示するのもその1つです。こうしたウグの細かな配慮により、「契約書の内容さえ正しければ、請求書は1分もかからずに作れる」というサービスが生まれたのです。
ほかにも使い勝手をよくするために、プロジェクトごとに請求書をグループ化できる機能や運用しやすい請求書番号を導入。これらは些細なことのように見えますが、積み上がると大きな時短効果を生みます。こうして細部まで配慮した開発を進めた結果、フリーランスの皆さんはすばやく請求書を作成・管理できるようになり、本来の価値を発揮する時間が増えたのです。
開発での苦労やこだわりを説明するウグ
『請Q』がフリーランスのパフォーマンスを加速
2022年12月にベータ版が完成したとき、開発チームが頼ったのもまたコミュニティでした。コミュニティメンバー皆さんにテスト利用をお願いしてフィードバックを集め、1月の正式ローンチに向けてさらなる改良を重ねたのです。
そのテストユーザーの1人がフリーランスの営業・マーケターとして活躍する脇川瑛久さんです。
「ベータ版を試して使いにくいと感じたことを率直にフィードバックしたところ、開発チームの皆さんがクイックに改善してくれて驚きました。私たちフリーランスの声をしっかり聞いてサービスに反映してくれるのがうれしかったです。Sollective が契約書や請求書などの業務をサポートしてくれるおかげで、ますますパフォーマンスを発揮しやすくなりました」
『請Q』を実際に使っている認定フリーランスの脇川さん(左)と、共同創業者兼 CPO のアレン(右)
これからもソレクティブは、経理システムをさらに強化し、フリーランスの皆さんが本来の仕事により専念できる環境を整えていきます。直近では、『請Q』と外部の会計ソフトの連携が実現する予定です。
『請Q』をまだ使ったことのない人は、この機会にぜひ試してみてください!
※『請Q® by Sollective』は『FreelanceOS® 請求書』に変わりました
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