米国大手企業で人事を経験したエリカが解説!企業がフリーランスを活用するヒント Article Image
2023.05.24# Event

米国大手企業で人事を経験したエリカが解説!企業がフリーランスを活用するヒント

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アメリカと日本で人事を経験した株式会社ソレクティブの共同創業者 CEO・岩井 エリカ。当時彼女が注目したのは、アメリカの企業の多くがフリーランスを活用しているという事実でした。

少子高齢化やデジタル化が急速に進み多様な働き方が求められる現代。企業が勝ち残るには、事業スピードを落とさずプロジェクトを遂行することが欠かせません。機会損失を防ぐためにも、新たな組織戦略が必要なのです。

今回は、そんなエリカが両国の採用基準や組織図の違いを解説したイベントの内容をお届け。従来の組織作りでは課題解決ができないと悩んでいるマネージャーや人事担当者の皆さんはもちろん、これからの働き方について考えたい人まで、ぜひ参考にしてください。

🗣 登壇者:岩井 エリカ(以下エリカ) 株式会社ソレクティブ共同創業者兼 CEO。Imperial College London 工学部修士課程修了後、2010年に住友電気工業に新卒入社し新規技術の特許獲得等に貢献。その後渡米し UCLA Anderson School of Management で MBA を取得後、大手玩具メーカー Mattel, Inc. やメガベンチャー Riot Games, Inc. で HR ビジネスパートナーを務める。帰国後は Geometry Ogilvy 日本支部の人材マネジメント統括を経て、フリーランスの人事コンサルタントとして独立。2020年にウォン アレンとともに株式会社ソレクティブを設立。 🎙 モデレーター:石川 尚仁(以下ジャンボ) 株式会社ソレクティブ シニア・アカウントディレクター。明治大学理工学部卒業後、1996年にリクルートに入社。HR 事業領域でRPO サービスのローンチを行ったほか、全業種のナショナルクライアントの採用を支援するなど幅広い業務に従事。事業統括責任者の経験もあり、採用の現場から事業運営までの知見を有する。

スキル重視で採用するアメリカのジョブ型組織では、雇用形態が多種多様

ジャンボ:エリカはアメリカの UCLA でマネジメントを学んだあと、現地の企業で人事として活躍。帰国後は外資系広告代理店の日本支部で人材マネジメントも経験しています。

さっそくですが、まずはアメリカと日本の採用基準の違いを教えてもらえますか?

エリカ:すでに日本でも有名かと思いますが、アメリカはジョブ型の組織です。採用の際は、まず出したい成果に至るまでにはどんな知識やスキルが必要かを考え、導き出した答えに適した人材を探します。

一方日本の採用基準はカルチャーフィットを重視します。企業の文化に適した人を採用する方法です。

こうした違いの背景には、採用後の対応の違いも関係しています。たとえば日本では新卒採用をしたあとに企業が人材を育成しますよね。スキルは後々研修などを通して教えることを前提としているため、まずは企業の文化に馴染んでくれる人かどうかを大切にするんです。それに比べてアメリカではスキルやキャリアは組織が育成するものではなく、個人に任せられています。

ジャンボ:ジョブ型の場合は組織にどんなメリットがあるのでしょうか?

エリカ:プロジェクトをスピーディに回せる点ですね。

ジョブ型ではプロジェクトを遂行できる人材を集めるため、その道に精通したエキスパートをすばやく採用します。つまり人材の育成に時間がかからず、非常にスピーディなんです。その際、雇用形態はあまり重要ではありません。

日本で人事部を統括するポジションに就いたとき、関わった人すべてが正社員でびっくりしました。アメリカの場合はスキルや知識が最も重要なため、雇用形態は多種多様でしたから。

💡関連記事:「ジョブ型雇用」とフリーランスの相性が最高な理由と、採用のために知っておきたいこと - 岩井エリカの視点

内定後入社まではたったの2週間。採用スピードが速いからこそ事業スピードも落ちない

ジャンボ:採用方法のほかに、プロセスにも違いがありますよね?

エリカ:そうですね。採用までのリードタイムを比べると、アメリカの方が圧倒的に短いんです。

そのためアメリカの方法をうまく取り入れられれば、事業スピードを落とすことなくプロジェクトに着手でき、機会損失を防げるかと思います。

特に採用後入社するまでの日数の違いが顕著です。日本では3~4か月かかりますが、アメリカではたったの2週間ほど。

アメリカの場合は個人的な転職の不安や家族の事情があったとしてもキャリアに対してリスクテイキングをするため、短い時間での入社が可能になっているんです。

💡関連記事:アメリカ企業でフリーランス採用が進む2つの理由

ジョブ型組織に移行するなら、フリーランスを積極的に活用を

ジャンボ:アメリカではフリーランスが年々増え、その数はリモートワークが可能になったことでさらに増加傾向にあります。

エリカ:はい。それで最近よくあるのが、中心部に正社員がいて、まわりをフリーランスが支えるという構図です。社内に適した人材がいない場合には、抱えているフリーランスに仕事をお願いするんです。

有名な企業だと Google ではこれが当たり前。実際にプロジェクトを回している人材は、正社員よりもフリーランスの方が多いんです。

ジャンボ:組織が人材プールをフリーランスにまで広げる利点は何でしょうか?

エリカ:やはり、プロジェクトに必要な人材をすぐに確保できるため、事業スピードを落とさず成果を出せる点ですね。

たとえば私がアメリカで勤めていた大手おもちゃ会社では、オンラインで新しいマーケティングキャンペーンを行いたいものの、社内に必要な EC 領域の専門家がいないという課題を抱えていました。

しかもそのスケジュールが非常にタイト。夏の終わりにマーケティングのアイデアが出され、繁忙期であるクリスマスまでにプロジェクトを進める必要があったんです。

そこで、プロジェクトを実現するためにフリーランスで活用する EC 領域の専門家をチームに入れることを提案しました。その後プロジェクトが進むにつれてデザインが必要になると、今度はフリーランスのデザイナーも採用。その結果、無事冬までに準備が整いキャンペーンを成功させることができたんです。

これは従来の日本のやり方では実現できなかったと思います。社内で人材育成から始めるとどうしても時間がかかってしまいますから。

ジャンボ:企業の皆さんと話していると、ときどき「フリーランスの人のモチベーションや仕事へのロイヤリティはどうですか?」という質問を受けます。日本企業では人材にカルチャーフィットを求めるからこそ気になるのかもしれません。

でも僕が今まで見てきたフリーランスは「自分が持っているスキルで顧客に貢献したい」という人が多かったです。そのため正社員よりも貢献度が低いのではといった不安や、企業のカルチャーをないがしろにするのではないかという心配は必要ないと思います。

エリカ:変化が多い時代だからこそ、事業スピードの速さは成果にも直結します。アメリカのさまざまな雇用形態のエキスパートを柔軟に取り入れる方法は、日本の企業にとってメリットになると思いますね。

ジャンボ:本当にそうですね!

💡関連記事:組織改革したい企業のためのフリーランス協業論。議論メシ黒田さん×エリカ対談

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