急成長するスタートアップの共通点は「フリーランス」? 千葉道場ファンド取締役パートナー 石井氏が語る組織づくりの最新事情
完全審査制のフリーランス・副業プラットフォーム Sollective(ソレクティブ)には、やりがいのある仕事を求める優秀なタレントが多数登録しています。2020年には千葉道場ファンドなどをはじめとする複数の投資家より資金調達を行い、ひとつでも多くの企業とフリーランスとの出会いを作っていくべくプロダクトを磨いてきました。
そんな私たちに、千葉道場ファンドの取締役パートナー石井貴基さんは「勢いのあるスタートアップ企業は、フリーランスの採用を積極的に行なっていることが多い」と語ります。
なぜ、フリーランスを積極的に採用しているスタートアップは事業を成長させることができるのでしょうか? 本記事では、石井さんからその理由や、今後の Sollective に期待していることなどについて話を聞きました。
急成長するスタートアップの共通点は「フリーランス」
── 石井さんは「事業を成功させているスタートアップは、フリーランスを上手く活用している」と私たちによく話してくださいます。
この1年、特にコロナ渦になって以降で急成長しているスタートアップの共通点として、フリーランスを上手に活用してるところが多いなという印象を持っています。
── どういった企業が上手くいっているのでしょうか。
まず、圧倒的にフリーランスと上手くお付き合いしていると感じるのが KAUCHE(カウシェ)ですね。
KAUCHE は「シェア買い」でお得に買い物ができるサービスを展開しているスタートアップです。彼らの開発スピードはかなり早く、事業での流通総額の伸びも大きい中で大きな障害も少ないようです。
KAUCHE には優秀な人材が多く集まっているのですが、フリーランスの割合がかなり高いチームです。
── KAUCHE には、なぜ優秀なフリーランスが集まるのでしょうか。
KAUCHE には、フリーランスにも社員と同じように扱う人事評価制度があります。社員と同じ目線で働けるような仕組み作りが丁寧に作られているわけです。
予算の少ないスタートアップが優秀な人材を採用していくためには、働きやすい環境作りを企業側が積極的に行っていくなどの工夫は大事なポイントです。
── 他にはどんな企業がありますか?
あとは、Manabie(マナビー)という EdTech スタートアップも、フリーランスのメンバーを積極的に活用して事業を成長させている印象です。
Manabie は、ベトナムでオンラインとオフラインを融合させたOMO学習塾を運営していますが、日本でも一部事業を展開しているグローバル企業です。
── それは凄いですね! Manabie はなぜフリーランスを積極採用しているのでしょうか。
彼らは、事業はもちろん経営チームもグローバルです。日本、シンガポール、ベトナム、インドなど出身地は多岐に渡ります。普段からリモートで動いているため、フリーランスを採用しやすい体制が整っているのではないでしょうか。
いま、フリーランス採用が必要な理由とは?
── KAUCHE や Manabie に優秀なフリーランスが集まっているのは分かりましたが、なぜ彼らはフリーランス採用に積極的なのでしょうか?
企業にとって、フルタイム採用はとにかく時間とコストがかかります。とくにエンジニア、デザイナー、PDM などの職種は需要が高く、年収も上昇傾向にあるので採用難易度がかなり高くなっています。
自分が会社を経営していた3〜4年前と比べたら、今のエンジニアの採用難易度って倍以上に難しくなっている感覚です。
── そんなに採用難易度が上がってしまっているのですね……!
さらに、今はコロナ禍などの影響からリモートワークが主流となり、働く側が多様性や柔軟性を求めている流れがあるように感じます。こういった傾向もあって、正社員よりもフリーランスのような働き方を選ぶ人が増えているんじゃないでしょうか。
そうなってくると、KAUCHE のように雇用形態に捕らわれず柔軟に働ける環境を企業側が用意していくことが、ある意味ひとつの福利厚生になってきます。
── コロナ禍の流れで働き方が変化し、働く人のニーズが変わっていることに対して企業側はきちんとキャッチアップしていくことが大切ということですね。
コロナ禍の影響で、雇用環境が激変したのは大きいと思います。近年はフルタイムで採用しても結局リモートワークになることも多いため、正社員にこだわらずフリーランス採用も視野に入れておくほうが企業にとってもメリットが大きい場合もあります。
こういった背景から、フリーランスを積極的に採用していく流れがきているのは確かですね。
── 時代の変化に合わせたチームビルディングが、よりいっそう必要になってきそうですね。
そう考えると、現在フリーランスを積極的に採用する形にシフトできている企業は、たとえ新型コロナウイルスの影響などで状況がめまぐるしく変わっても、時代の変化に合わせて経営チームを形成できる可能性が高いということに繋がるのかもしれません。
特にスタートアップは、最短距離で最大の成果を出さなければ命取りになる場合があります。たとえば、一般的な正社員募集だと採用まで半年くらいかかることが一般的ですが、スタートアップ企業にとってこの半年間のロスは死活問題になることもあるんです。
フリーランスであれば、フルタイム採用が難しくても優秀な人材をすぐ採用できるので、迅速な対応が可能です。企業がフリーランスを採用することで、チームビルディングの時間とお金を圧倒的に短縮できるのは良いところだと思います。
フリーランスと働くことで、採用期間やコストを効率化できる
── 石井さんからみて、フリーランス採用をおすすめできる職種はありますか?
需要の高いエンジニア、デザイナー、PDM はもちろん、他には広報、編集、ライティングなどはフリーランスの人数も多いのでいいですね。特にライティング関係の業務は、社員を抱えること自体がそもそも珍しいのかなと思っています。
意外なところだと、人事のフリーランス採用もアリだと思います。面接などは正社員が行うものの、日程調整や採用戦略、採用広報などは頼みやすいと感じます。
その中で気をつけておきたいのは、企業の事業内容でしょうか。フィンテック系の企業のようにセキュリティーを重視している企業や事業では、正社員を中心にチームを組む必要があるかなと思います。一方で、柔軟性がある程度許容されるプロダクトであれば積極的にフリーランス採用を検討しても良いと思っています。
── 企業の採用が変わる中、フリーランスの今後の働き方は時代の変化に合わせて、どう変化していくと感じていますか?
以前から、全国各地に生活拠点を設けて働くという流れはありましたが、コロナ禍によってこの流れが加速している気がします。
今後も、働く人がフリーランス化し、色々なところに生活拠点を設けるという流れは止められないし、この流れはさらに加速する可能性は充分にあると感じています。国内だけではなく、海外に住む人も増えるのではないでしょうか。
── 働き方が変わっていく中、Sollective に期待しているビジネスシーンへのインパクトなどがあれば教えていただきたいです。
Sollective 代表の岩井さんたちがずっと発信してきているように企業のフリーランス採用の必要性とは「フリーランスを受け入れられる企業になれば、会社の生産性は上がる」というめちゃくちゃシンプルな話だなと思っています。
企業側がフリーランスを積極的に採用すれば、必要以上に社員を抱えることなく自社の成長に必要なスキルをより効率的にスピード感を持って取り入れることができます。時代の流れに合ったチーム形成も可能です。その結果事業も伸びていくので、いいサイクルを作っていけますね。
こうした採用期間のロスや採用コストをなくすことができる、それだけで Sollective を活用する意味は十分にあります。
なので、Sollective は今あるシステムをしっかり磨き切って、フリーランス・副業プラットフォームという枠を超えて、飛躍していってほしいですね。
* * *
Sollective は、「トップフリーランスの力でビジネスの可能性を広げる」をモットーに、やりがいと能力に見合った仕事を求める優秀なフリーランス・副業ワーカーと、多様化するビジネスの即戦力となるエキスパートを探している企業を直接つなぐプラットフォームです。もし、すこしでも興味を持っていただけたら、ぜひ登録いただけると嬉しいです。
■フリーランス・副業ワーカーの方の登録はこちら ■企業採用担当者の方のご案内はこちら