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2021.10.04# Trends

「How are you?」が英語でのビジネスに大切な理由とは? - 岩井エリカの視点

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英語で最初に習うフレーズ「How are you?」。日本語に訳すと「元気ですか?」となるこのあいさつですが、英語でコミュニケーションをとる際に、困ったことがある人も多いのではないでしょうか?

なぜなら、英語圏では会社で毎日会う人であっても、会うたびにいちいち「How are you?」と聞くからです。そして、この質問に「I’m fine」だけをいつも返していると、英語ネイテイブ的にはすこし違和感があります。

この問いに答えるには、アメリカのビジネスシーンにおけるコミュニケーションの価値観をお伝えするのが分かりやすいのではないか、と思っています。なぜ彼らは会うたびに同じことを繰り返し聞くのか。そして、その質問にどうやって返せばいいのでしょうか。

How are you?の頻度が多い2つの理由

「How are you?」というフレーズには、文字通り相手が元気なのか、どういう状態なのか?を確認する意味があります。日本でも久しぶりに会った友達との会話が「元気?」から始まることはよくあると思いますが、そういった感覚と同じだと思います。

日本と英語圏の国々で大きく違うのは、この頻度です。

毎日会う同僚や部下、そして上司にも日々おなじことを繰り返し聞きますし、それはビジネスシーンでとても大切にされていると感じます。このわけを私なりに紐解いてみて、特にアメリカのビジネスシーンにおいては2つの大きな理由があると感じています。

・コミュニケーションにおける言葉の重要性 ・パーソナルライフと仕事は繋がっている

これらの考え方について、ひとつずつ紐解いていければと思います。

①コミュニケーションにおける言葉の重要性

英語圏のコミュニケーションを語る時に、まず説明する必要があるのがコミュニケーションにおける言葉の重要性です。

日本には「阿吽の呼吸」「顔色をうかがう」などのことわざがあるように、言葉にせずとも察する、空気を読むコミュニケーションが存在します。ですが、特にアメリカを中心とした英語圏の国々でのコミュニケーションは、たとえどんなに通じ合っていても、言葉にするのが大切であるという考え方があります。

これは、英語というひとつの言語を様々なバックグラウンドや国籍の人が使ってきたことがベースの背景にあると私は感じています。

また、もうひとつ無視できないのが仕事をする上でのチームの組み方です。日本では、同じ仕事をする人がひとつの部署に集まり、一緒に仕事を進めていく方法が一般的だと思います。ですが海外で主流なのは「ジョブ型雇用」という、仕事にあわせて人材を確保するやりかたです。

この雇用方法では、プロジェクトごとに各部署から必要な専門家が集められ、仕事を進めていくことになります。そのため、同じ部署の人とだけ仕事をしていればいいということはなく、プロジェクトごとに関わる人はめまぐるしく変わっていきます。

だからこそ、ビジネスの上では自分の意見や思考プロセスをちゃんと発信していくことが大切です。

②パーソナルライフと仕事は繋がっている

ふたつめの理由は、アメリカのコミュニケーションで一番重視されている「One on one」と呼ばれる定期的なミーティングの文化を通して紹介していきたいと思います。

One on one は週次、隔週、毎月など関係性によって頻度は変わります。この One on one ではもちろん仕事の話もしますが、大切にされるのは「How are you?」「Are you OK?」から始まるチェックインです。プライベートの話や悩み、他で携わっているプロジェクトの話などをすることで、その人のパーソナリティに共感することが何より大切なのです。

特徴的なのは、このコミュニケーションは業務時間内に行われるべき、大切な仕事のひとつということです。日本では仕事後の「飲みニケーション」でプライベートな話をして、メンバーシップを高める文化があると思います。ですが、アメリカではメンバーのパーソナリティを知り共感することは、業務中に行われるべきことでもあるのです。

メンバーのプライベートを聞くのが仕事だなんて、日本ではちょっと驚く文化かもしれません。でも、向こうでは「パーソナルライフがうまくいっていないと仕事もうまくいかない」と考えられているのです。だからこそ一緒に仕事をする人の私生活がどんな状況なのかを気にするし、お互いのことを知りながら仕事をしたいと考えるのです。特に上司にとっては仕事の話と同じくらい、メンバーのプライベートを通して働いている人のメンタルヘルスケアをすることは重要な仕事です。

とくにこの1〜2年はパンミックの影響で、同じ場所で働いたり、お互いに顔を合わせたりすることが少なくなりました。マネージャーが One on one などを通してチームメンバーや従業員の状態を理解することはより必要不可欠なものになってきたのではないでしょうか。オンライン会議やチャットで空気を読むことには限界がありますが、元気かどうかを尋ねることで、ビジネスの成功と働く人の健康に必要な「マネジメント」を行うことができるのです。

私がこの文化を通して思うのは企業は、働く人をただの「仕事をする人」ではなく個人として尊重しているということです。だからこその「How are you?」だし、その人がハッピーに仕事をできる環境づくりに意識を向けています。

このように英語圏の人たちが口にする「How are you?」には、言葉を尽くしたコミュニケーションが必要な環境と、プライベートも尊重する文化があるのです。だからもしあなたが「How are you?」と聞かれたら、ぜひ「I’m fine」や「I’m good」の後に「Because〜」と自分が今ハッピーな理由を続けたり、自分の生活と仕事のコンディションをあわせて伝えてあげてください。もちろん、調子によっては「I’m alright (まあまあだよ)」「I’m not well(調子がよくないよ)」と返しても大丈夫です。

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