海外企業面接で抑えたい4つのポイントを、アメリカで働いてきた人事目線で解説 - 岩井エリカの視点
以前、グローバルな環境で働きたいと考えている人に向けて、海外で働くために日本人に必要なスキルを、日本とアメリカで人事として働いてきた私の目線でお伝えしました。
その中で書ききれなかったのが、企業面接についてです。
海外で働きたい、もしくはフリーランスで海外にいる企業と働きたいと思っているのであれば、避けて通れないのが面接。どんなにスキルや英語力があっても、面接できちんとアピールできないと働くことも、ワーキングビザを取得することもできません。
実際に人事として面接も行ってきた経験をもとに、面接に向けて抑えておきたいポイントを紹介していきます。
必ず抑えておきたいのは、ケースインタビュー対策
日本でも増えてきている「ケースインタビュー」は欧米の企業ではポピュラーです。エンジニアはスキルテストのようなものを行うこともありますが、数社受けるのであればまず対策しておいて損はないと思います。
ケースインタビューとは、ある問題に対して、課題分析・解決・議論などを行うものです。問題をどのように考え分析するか、ソリューションとそのための道筋はもちろん、コミュニケーション能力もチェックされます。
ネットで探すとケースインタビューの問題例がたくさん出てくるので、自分ならどのように提案するのかを考え、自分の思考プロセスを効果的に伝える練習をするだけでもずいぶん違うのではないでしょうか。おすすめなのは、友だちに練習相手をしてもらうことです。私も自分が面接を受ける時には、よく人と練習してフィードバックをもらっていました。
また、ケースインタビューには「正解」はないということも忘れてはいけません。企業の想定した結果から大きく外れたとしても、面白い考え方を提示できていれば、次の面接に進める可能性は高いと思います。
絶対に避けたいのは、自分が何の考えも持っていないと思われるケースです。情報がほとんど与えられなかったとしても、追加で知りたいことや明確にしておきたい点を面接官に質問をするなど、臨機応変に対応する必要があります。そうすることで、面接官はあなたと対話し、一緒に仕事をしたときのイメージをよりクリアに持ってもらうことができます。
アピールは大切。でも謙虚さを忘れない
面接ではアピールの仕方もしっかり見られています。特に、欧米の企業では日本にある「謙遜」といった文化はありません。自分のスキルや実績などは意識してアピールするくらいでちょうどいいのではないかと思います。
ですが、アピールをしっかりしていく中でも謙虚さは必要です。
“THERE IS NO I IN TEAM”という、有名なフレーズがあります。これはダブルミーニングで、「TEAM と言う単語の中に I という文字はない」というのが文字通りの意味です。これは、実際には「チームで仕事をするときは、個人でなくチームのニーズに焦点を当てるべき」という意味で使われます。
面接で「私は」「私は」とばかり言う人の評価はあまり高くありません。「私たちは」と言える人のほうが、チームとして働くのに向いていると面接官は評価します。自分の業績について話したい場合は、チームとして何を行ったかを説明した後に自分はチームの成果にこのように貢献したと付け加えることをおすすめします。
面接後のフォローアップでコミュニケーションを
面接は企業が応募者を見るだけでなく、働く側も企業をジャッジメントするものです。アメリカでは、日本以上にこの考え方は浸透しているように思います。
そんな中、人事として嬉しいのは面接後にメールでフォローアップをしてくれる人です。面接が終わった後に、お礼を兼ねてあらためて熱意や実際に話して感じたことをメールしてみてください。面接では足りなかった追加の質問をしてもいいと思います。
たとえば、恋愛でも初めて会って話した後に、相手もこちらに好意を持ってくれていると分かっていたほうが、次のデートも誘いやすくなるものです。採用も恋愛と同じで、面接を受けにきてくれた人が企業のことをどのように思ったのか、ラブコールを出していいのかを教えてくれると嬉しいし、安心してオファーを出すことができます。
また、フォローアップからはその人の積極性や自発性が伺えます。お互いにとって大きな決断だからこそ、フェアに寄り添いあえる関係を築けそうな人物であることをアピールすることで、より強い印象を与えることができると思います。
外資系企業での経験は、できればあったほうがいいい
基本的には面接では、どういう仕事のスキルを持っているか、自分がそれまでに何をやってきたかが問われます。
ですが、過去に外資系企業で働いたことがあると、企業ウケはよくなります。やはり、日本の知らない会社よりも、グローバルに展開していたり知っている会社名があれば、親近感を覚えるとともに評価もしやすくなるからです。
もし海外で働くことを考えているけれども、もうすこし日本でキャリアを積んでから……と考えているなら、まず外資系で働いてみるのはとてもおすすめです。現地で活躍する同僚のネットワークもできますし、もしかしたら社内で海外へ転勤する機会も出てくるかもしれません。
今回は、人事の目線でハズせない4つの面接のポイントを紹介してきました。とはいえ、働き方や文化が違っても大切なのは仕事のスキルと「気持ちよく一緒に働けそう」と思える人柄やコミュニケーション能力です。それはどんな国で働こうとも変わらない、一番大切なことなのではないでしょうか。
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