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海外案件に挑戦するフリーランスに伝えたい、英語よりも大事な成功ポイント

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円安や AI の発達を追い風に「海外案件を受けてみたい」「最先端のグローバル企業と仕事をして自分の力を試したい」と考える人も多いのではないでしょうか。実際に日本市場への進出を目指す企業は数多く、日本語話者が仕事を獲得できるチャンスは広がっています。しかし海外案件を受けた経験がなければなかなかイメージをつかめず、具体的な一歩を踏み出せないかもしれません。

フリーランス7年目の私自身はアメリカ留学経験と外資系企業での勤務経験があったことから、「英語はそこそこできるし、何とかなるだろう」と海外取引先との仕事を始めました。しかし当初は思うようにいかず、自分なりのやり方をつかめてきたのは最近のことです。

そこでこの記事では私が自身の体験から気づいた、海外案件を受注してうまく進めるためのポイントを3つお伝えします。

①英語力よりも仕事のクオリティで勝負する

海外案件に目を向ける際、真っ先に気になるのが語学力かもしれません。私は普段、英語圏のほかにドイツ、チェコ、スペイン、ブラジル、中国などの担当者と英語でやり取りしていますが、実は英語そのものはそこまで重要ではありません。

英語力に自信がなければツールでカバーする

英語が多少苦手な人は不安に感じるかもしれませんが、仕事内容をしっかりと理解し、自分の意思を誤解されずに相手に伝えられる、中学校レベルの英語力があれば十分です。私も英語を書くことに不安がありますが、文法が多少間違っていても単語さえ正しく選べば、たいていの場合は相手に通じます。相手の第一言語も英語でない場合も多いため、気負わずに自分の知っている言葉でシンプルに書くようにしています。

今では機械翻訳の性能もかなり上がったので、それらのツールの力を借りるのもよいでしょう。ちなみに機械翻訳の部分的な使用は問題ないものの、内部資料や契約書をそのまま AI にコピー&ペーストするのは厳禁です。特に大企業では、情報漏えいの観点から AI の使用を禁止している場合があり、安易な使用は契約違反になることも。もし AI を使うなら、主語を変える、単語だけ抜き出して調べるなど気を配りましょう。

日本に関する知識を磨き、海外との違いを意識する

日本市場にサービスや商品を展開する企業から案件を受ける場合は、日本の社会や文化に対する知識や視点が求められるでしょう。そのような企業は日本に住む人の生活スタイルや行動、好み、日本社会の価値観、流行、制約、日本市場の状況などに詳しい人材の助けがほしいからこそ、海を越えて求人するのです。

たとえば日本市場向けのウェブサイトを用意したい海外企業が、日本をよく知らない自国のウェブ制作者に依頼した場合、どのような結果になるでしょうか?たとえ制作者が有能で、翻訳機能を使いこなせたとしても、成功するのは難しいと私は考えます。過去に取引していたカナダ人マーケティング担当者の話ですが、ウェブサイトについて会話していたとき、彼女が何気なく「日本のウェブサイトは色が多くてにぎやか、フォントも派手で、新宿のネオン街のよう。カナダではシンプルで落ち着いたウェブサイトが好まれる」と言っていたのが印象に残っています。こうした違いを押さえてこそ、市場に合った提案ができるのであり、そのためには日本の消費者や文化、競合の事情などへの理解が不可欠です。

海外取引先と仕事すると「普通」が自分とは異なる人によく出会います。日本に関する知識を磨くのはもちろん、さらに取引先の国の傾向についても学び、違いを意識することができれば、仕事のクオリティや取引先との関係性は格段にアップするでしょう。

成果を出せる分野に絞る

国内外問わず言えることですが、もっとも重要なのは仕事のクオリティです。そのため、受注する基準は国内案件と変わりません。逆に海外案件だからといって幅を広げてしまうと、失敗のもとになります。

私はフリーランスになりたての頃、なかなか受注できない焦りから、「日本語」という検索キーワードで引っかかったあらゆるジャンルの海外案件を受注していました。しかし、専門外の分野は内容をよく理解できず、調べるだけで膨大な時間を費やすことに。結果的に仕事のクオリティは低く単価も上げることができませんでした。

「日本」や「日本語」というキーワードが案件に含まれていると、自分の専門と多少違っていても「なんとなくできそう」「挑戦したい」という気になるかもしれません。経験を積むことが目的ならそれもよいですが、クオリティや取引先との今後を重視するなら、やはり自分が本当に得意な分野に絞ったほうがよいでしょう。

②コミュニケーションスタイルの違いを意識する

面接でも実際の仕事のやりとりでも、日本と同じ方法で進めようとするとうまくいきません。それはコミュニケーションスタイルがそもそも違うから。たとえば、私が海外案件で心がけていることは次の4つです。

「空気を読んでもらう」ことを期待しない

意見や要望はしっかり言葉で伝えないと、相手には伝わりません。同じ国や環境で生活する者同士であれば「これはこういうものだ」と共通理解があるため、暗黙の了解でわかり合えます。しかし文化や背景が異なる人が相手だとそうはいかず、すべてを口に出して説明しなければなりません。多様性や包括性を大切にする国や企業の場合ほど、さまざまなバックグラウンドの従業員が集まっているため、その傾向は強くなります。

相手も同じく意見をはっきりと言ってきますが、それは必要なことです。慣れていないときつく感じるかもしれませんが、めげないで!逆にグローバルなやり方を「当然わかっているだろう」という思いからか、指示がざっくりしていることもありがちです。そういうときは遠慮せずに納得いくまで指示を仰ぎましょう。

失敗を謝罪するより分析する

取引先からネガティブなフィードバックをもらうと、とりあえずは謝罪するのが国内では一般的かもしれません。しかしある日海外取引先に言われたのが「謝罪や言い訳が欲しいわけじゃない。どういうところが失敗だったのかを自分なりに分析して説明してほしい。それが次の成功につながるから」ということ。日本では謝ることで誠意を見せる文化がありますが、それよりも分析が求められていることを学び、それ以降はどこが失敗だったのかをロジカルに考えて箇条書きで説明するようにしています。

自分に自信を持ち、できることは多少大げさにでもアピールする

アメリカの場合、プレゼンテーション力があると仕事ができる人だと認められることもあります。しかし内容をよく聴くと、特別すごいことを言っているわけではないと気づきます。それでも堂々と、些細なことでも魅力的に伝えるので、まるで大発見をしたかのように聞こえるのです。

これは口頭だけでなく、英文履歴書やポートフォリオなどでもいえることです。できないことをできると言うのは NG ですが、せっかくのスキルや実績を、たいしたことではないと「謙遜して」伝えないとチャンスも流れてしまいます。街頭演説するかのような気分で、大きく自己アピールをしてみるとよいでしょう。

③時差に引きずられないようにタイムマネジメントをする

海外取引先と仕事をしていると、夜中に連絡が来たからと即返信したり、急ぎだからとパソコンに向かったりと、気づけば昼夜ぶっ通しで仕事してしまうリスクがあります。もちろん国内でも同じことはいえますが、海外は日本と時差がある分、そういった昼夜を問わない働き方に陥る傾向が強い気がします。真面目な人であればなおのこと。たとえ仕事が楽しくても、これだと身体を壊してしまいます。

細く長く、そして楽しく海外取引先と働きたいならオンオフの切り替えは重要です。自分の労働時間を決めたら、それ以外の時間はコミュニケーションツールのステータスやメールの自動返信でオフであることを伝え、堂々と休みましょう。海外でも欧米の人は特にワークライフバランスの取り方が上手で、休日や時間外には一切仕事しないと徹底している人もたくさんいるので、すんなり理解してもらえるはずです。

ただし、やるべきことを終えずに一方的に休むのはもちろん無責任。そもそも夜中に緊急連絡を受けなくていいように、仕事を早めに進めておく、労働時間を事前に共有する、時間内にできる業務量をあらかじめ伝えて期待値をコントロールしておくなど、先手を打っておきましょう。

時差以外に気をつけたいのが祝日や休暇習慣の違いです。トラブル回避のために、相手の国の祝日や休暇は事前に把握し、こちら側も早めに伝えておくよう心がけましょう

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さいごに

取引先が海外であれ国内であれ、実はそこまで大差はありません。英語が苦手な人でも、中身で勝負する気持ちを強く持てば海外案件に挑戦するハードルはぐんと下がります。最初の案件をうまくスタートできれば、あとは国内と同じような感覚で進めていけるはずです。

異なる文化や考え方を持つ海外の人と働く経験は、きっとその後のキャリアアップにつながります。リラックスして、まずは最初の一歩を踏み出してみませんか?

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