定着率 UP、女性活躍、ビジョンの浸透…組織の課題に効く社外エキスパートの活用法
これからの時代、メンバーの力を引き出して組織としてパフォーマンスを最大化するためにどんな工夫ができるのでしょうか。
創業60年、着実に発展してきたダイヤ工業株式会社と、設立13年目の安田ファシリティワークスは、それぞれ「メンバーの定着率を上げるにはどうすればいいのか?」「社内にビジョン・ミッション・バリューが浸透しない」と頭を悩ませていました。
ソレクティブは、そんな両社とともにトークセッションを開催。組織課題にあわせて社外エキスパートの協力が有効な場面について、ソレクティブの 共同創業者兼 CEO で組織開発のプロでもあるエリカが答えました。
組織課題①即戦力として採用したメンバーが定着しない
📢解決策:社外エキスパートを活用し、辞めていく人の声から改善策を探る
西田:ダイヤ工業では、メンバーの定着に頭を悩ませています。特に即戦力としての活躍を期待して中途採用したメンバーが短期間で辞めてしまい、プロジェクトが進まなくなってしまう場面があるんです。それで評価の曖昧さが一因かもしれないと、制度を見直しているところです。
エリカ:メンバーのパフォーマンスを適切に評価して、定着率の改善につなげようということですね。それは誰が進めているんですか?
西田:社内の人事部です。
エリカ:それなら、社外の人事コンサルタントに入ってもらうのも1つだと思います。というのも、人が辞める状況を改善するには辞めていく人の意見をしっかりヒアリングするのが大切ですが、当事者からすれば社内のよく知る人には話しにくいものです。そこで、しがらみのない社外の人がヒアリングし、制度改善に反映するデータとして思いをくみ取るんです。
西田:確かに、社内に向けて辞める本音は言いにくいかもしれません。
エリカ:プロフェッショナルフリーランスとして活躍する人事のエキスパート人材なら、その先の制度を見直すステップ作りまで任せられますよ。
ほかの方法としては、今いる優秀なメンバーがモチベーションを高く保てるよう、メンバーたち自身に組織改革プロジェクトをやってもらうのも効果があると思います。
西田:メンバー自ら、辞めたくない組織を作っていくんですね。ただ、新しいプロジェクトにトライしても、いつの間にか進まなくなっているという結果になりがちなんです。利益に直結する既存事業を着実にやる方へとリソースが引っぱられてしまって…。
エリカ:そんなときは、既存事業の方に社外エキスパートの手を入れるという考え方もありますよ。新しいプロジェクトにリソースを向けられるよう、たとえば業務の DX などで既存事業にゆとりを生むんです。
西田:なるほど、それは考えたことがありませんでした。おっしゃるとおり、既存事業を改善してリソースを生み出せれば、新しいことに向き合う機運が高まるかもしれませんね。
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左からダイヤ工業の西田さん、安田ファシリティワークスの門脇さん
組織課題②女性の従業員がまだまだ少ない
📢解決策:社内の好事例をコンテンツ化して、採用に役立てる
門脇:安田ファシリティワークスの課題としては、まず女性で総合職のメンバーがまだまだ少ないんです。工事現場を受け持つ等、建設業界の特徴によるものかもしれませんが、採用の段階から女性が集まらないのが現状です。
エリカ:少ないなかでも活躍している女性メンバーもいますか?
門脇:はい、います。
エリカ:まずはそのメンバーの声をぜひ聞いてみたいですね。女性が少ないチームで活躍しているからこそ、この業界で働き続ける魅力や難しい状況を乗り越えるコツを独自で持っていると思うんです。
その人の活躍をインタビュー記事にしてウェブサイトに載せたり、イベントで登壇してもらったりと社外にも発信していくと、採用に有効だと思います。少人数の組織なら、こういったコンテンツの作成や運営には社外のフリーランスの力を借りるといいかもしれませんね。
門脇:そうですね。実は、活躍している女性メンバーの1人は社内初の女性育休取得事例でもあるんです。また最近、男性も育休を取る文化ができつつあり、知ってほしい事例がいくつもありますね。最近、採用の場でも働き方に注目する人も増えたと感じるので、そのような人たちにも伝えたいです。
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組織課題③会社のビジョンやミッションが浸透しない
📢解決策:メンバー全員がビジョンやミッションに当事者意識を持てる仕組みを作る
門脇:あと日々の業務に追われて、会社のいわゆる「ビジョン・ミッション・バリュー」のようなものが浸透していないと感じています。所属部署のマネージャーによって伝え方にもばらつきがありますね。
エリカ:まず入社時に、「会社として何を成し遂げたいのか」を全員同じ形で共有するのが重要だと思います。オリエンテーションの資料に入れたり、組織のトップから語ってもらったり。
それから入社後も半年ごとに評価があるということなので、その機会を活かしましょう。このとき、マネージャーが1対1でメンバーを評価するだけでなく、メンバー同士で「この期間いちばん会社のミッションに『生きた』のは誰か」を振り返るんです。
メンバー同士で投票するシステムを利用して、ミッションを行動に移したメンバーをみんなの前で表彰するのもいいですね。よかったと言われるのはやっぱりすごくうれしいことですし、チーム全体でもミッションを実践する重要性が再認識できるのではないでしょうか。
門脇:メンバー同士で業務を振り返るという発想はありませんでした。ミッションをどう行動に移していくといいのか、経営層以外のメンバーも考えていくと、よりよい組織になっていくかもしれませんね。
エリカ:これは正社員に限ったことではなくて、社外エキスパートを入れた組織づくりでも同じなんです。たとえばフリーランスを採用する場合も、参画する最初のタイミングで会社のビジョンや思いを言葉にして共有するのが大切。その後も、経営者は折に触れて何度もくり返し伝え続けることですね。
門脇:オフィスの会議室等に「社是社訓」が貼ってあったりしますが、ああいう必ず目に入るものも「言葉で示し続ける」のも、ローテクですが1つの方法かもしれませんね。
エリカ:安田ファシリティワークスさんに素敵な内装をお願いして、そこにビジョンを載せてもらえるといいですよね!
あとは、数年の長期にわたってプロジェクトに関わるフリーランスがいるなら、事業フェーズごとにビジョンをアップデートする際に「どう思うか」を聞くのもいいと思います。ビジョンを一緒に作って当事者意識を強く持つ人は、何より強いチームの力になりますから。
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ソレクティブはさまざまな企業の組織課題に対して、社外エキスパートを活用した解決策を提案しています。自社で気になることがあればこちらからお気軽にご相談ください。また、実際にソレクティブを通して組織課題を解決した企業の事例はこちらで紹介しています。ぜひ参考にしてください。