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とにかく焦らない!フリーランス育休、私の乗り越え方

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私がフリーランスのライターになって5年目の頃、初めての妊娠が判明しました。うれしかった反面、会社の福利厚生がないフリーランスとして、産休・育休の時期をどう乗り越えるかとにかく不安でした。

今回は、フリーランスとして産休・育休を取る予定がある人、フリーランスの仕事とライフプランの両立に不安がある人向けに、私の産休・育休の過ごし方をご紹介します。

妊娠中の過ごし方は前編にてご紹介しています。

産休・育休の過ごし方

💡関連記事:リーランスが妊娠・出産したら何をすべき?妊娠初期〜後期までの体験記

育休初期:自分の体調不良に気づけなかった

自然分娩、帝王切開、早産・過期出産など、出産や産後の状況は人によって大きく異なります。私の場合は、逆子が治らず帝王切開での出産だったため産後の回復が遅く、育休初期は傷の痛みに悩まされた日々でした。

産後は、ネットや本の情報を鵜呑みにするのではなく、自分にあった過ごし方をするのが一番です。以下の体験記も、あくまでひとつの例として読んでもらえればと思います。

【産後の体調不良に気づけなかった】

フリーランスは会社員と異なり、育休中に国から育児休業給付金を受け取ることができません。また、仕事への意欲が高いケースも多いため、「産後すぐから働きたい」という人も珍しくないでしょう。

自分の体験でいくと、産後すぐは働けそうなほど元気でした。身体はあちこち痛かったものの、赤ちゃんのお世話をしたり、人としゃべったりする体力や気力は十分にありました。

が、これが大きな罠でした。産後はアドレナリンの分泌が多く、「産後ハイ」と呼ばれる興奮状態になりがちです。

知識として知っていたものの、なってみるとそれとは気づかず、「自分は産後の回復が早いほうなんだ」と勘違いして、活動し続けてしまいました。結果として、入院中に突然高血圧で倒れ、その後1か月の健康指導を受けることになりました。

産後のつらさと聞くと「痛い」「動けない」といったイメージがありますが、自分の限界に気づかないケースもあります。出産後、最低でも1か月は「休みすぎかな?」と思うぐらい休むほうがよかったと振り返って思います。

【取引先への出産連絡は落ち着いてから】

産後、気になるのが取引先への出産報告のタイミングです。実際に報告して感じたのは、フリーランスの出産連絡は、出産直後ではなく復帰のタイミングで基本的に問題ないということです。

もちろん、不要な心配をかけないために産後すぐの報告が最適なこともあります。が、フリーランスは多くの場合「社外の取引先」だと認識されています。そのため、従業員ほどスピーディな報告が求められていないことが多かったです。

体調不良や赤ちゃんのお世話で忙しい産後。取引先への報告は、むりのない範囲でするのがよいと思います。

育休なかば:育児以外のことにもチャレンジした

一般的には、産後1か月あたりから体調が回復に向かいます。もしこの時期に仕事に復帰したい場合、「生後100日を過ぎているか」がひとつの目安になります。生後100日を超えると、受け入れてくれるベビーシッターや施設が格段に増えるからです。

私は、産後2か月に入っても体調がまだ安定していなかったため、育休を続行しました。「赤ちゃんがどんどん成長していくこの時間を大事にしたい」と思ったことも大きいです。

以下は、育休なかばの私の過ごし方です。

【体力回復のための軽い運動を始めた】

産後は驚くほど体力が落ちています。体力が必要なフリーランスに復帰するため、私は育休なかばから意識的に運動するようにしていました。

ただ、気をつけたいのは「あくまで産後である」ということです。私は産後2か月のとき、医師からOKを得て家でエクササイズをしたところ、その日の夜に出血しました。2~3日でおさまりましたが、むりは禁物だと思い知り、ウォーキングなどの軽い運動に切り替えました。

体調の回復は本当に人それぞれです。油断せず、体調を見ながら少しずつ始めましょう。

【育児以外のことにチャレンジした】

育児には楽しさもありますが、達成感を得にくい作業も多いです。繰り返しの作業に疲れてきた場合は、思い切って育児以外のことにチャレンジするのもよいと思います。

私の場合は、妊娠前から受けていた通信制の大学院のコースが(かなりハードだったものの)ちょうどいい息抜きになりました。大学院は極端ですが、「気になっていたオンラインセミナーを受ける」「毎朝5分だけ英語のラジオを聞く」といった、在宅のスキルアップは達成感が得やすく、育児との相性がよいと思います。

また、スキルアップ以外にも「普段はできない奇抜な髪色にする」「気になっていた長編作品を読む」といった息抜きもおすすめです。仕事に関係なく、「育休の間にこれをやった」と思えるものがひとつでもあると精神が安定すると感じます。

【SNS を絶対に見ないようにした】

私は育休前に、すべての SNS をスマホからアンインストールしました。不正確な出産・育児の情報で不安になったり、休業中に周囲が仕事する様子を見て焦ったりしたくなかったことが理由です。

結果的に、これは正解だったと思っています。メンタルが安定したほか、SNS を見る時間を、目の前の子どもと楽しく過ごすことにあてられました。

「産休・育休中は SNS からできるだけ離れるほうがよい」というのが私の結論ですが、息抜きの方法がひとつ減るというデメリットもあります。育児をしながら手軽に楽しめる趣味は多くないので、少し時間が空いたときなどは特に困りました。

ただ、私の場合は、もとから好きだった読書やマンガの時間を増やすことで解決できました。ライフスタイルにもよりますが、育休をきっかけに SNS 以外の楽しみを見つけるのも楽しいと思います。

また、別のデメリットとして、SNS 経由で連絡をくれた知人に返信ができないというものがあります。私も実際に、復帰後に SNS を確認してあわてて返信することがありました。普段から SNS での交流が多い場合は、「月1回だけ見る」など頻度を決めてチェックするとよいと思います。

育休終盤:復帰にむけてメンタルを整えた

子どもが保育園に内定した産後6か月頃から、本格的に仕事復帰を考え始めました。同時に、戻る場所が確約されていないフリーランスとして「仕事はあるのだろうか」「妊娠前と同じぐらい働けるのだろうか」という不安がどんどん大きくなりました。

ここでは、育休終盤、仕事の復帰に向けて不安になったときのメンタルの保ち方をご紹介します。

【自分の過去の仕事を見返した】

育休中に自信がなくなったとき、私は自分の過去の仕事を見て元気を出していました。自分で自分の仕事を褒めてあげると、「仕事がないかもしれない」という不安が「探せば見つかる」という自信に変わります。

普段は忘れているかもしれませんが、取引先からもらったうれしい言葉、現在の自分につながっている大事な案件など、思い出深い仕事がひとつはあると思います。産後に自信がなくなったときは、そうした過去の仕事を振り返って、自分のことを褒めると自信を取り戻しやすかったです。

【仕事がない場合はチャンスだと考えた】

もうひとつ、不安の解消に効果的だったのは「仕事がなかったら新しいことにチャレンジできるチャンスだ」と考え方を変えたことでした。

「前から気になっていたあの会社にアプローチしよう!」「〇〇さんに一緒に仕事をしようと誘ってみよう!」など、まっさらな状態からやりたいことを妄想するのは私にとっては楽しい時間でした。「仕事がなくなる」のではなく「新しい仕事ができる」と考えると自然と前向きになれます。

また産休や育休に関係なく、フリーランスを続けていれば、仕事がなくなることは十分ありえる事態です。仕事探しは不安定なフリーランスの宿命でもあるので、深刻にならずに取り組むのがおすすめです。

復帰後:理想を描かずマイペースに

私は半年の休業から仕事に復帰しました。この記事の執筆時点ではまだ100%の復帰とはいえませんが、仕事量を調整できるフリーランスとして現時点でこれをやっておけばよかったと思うことを挙げておきます。

【復帰前に取引先に一報を入れる】

フリーランスが仕事に復帰する場合、まずは過去の取引先に連絡することになると思います。私の場合、復帰連絡をしてから実際に仕事が始まるまでに、1か月ほどかかることが多かったです。復帰の目標日時を決めている場合は、逆算して早めに連絡を入れておきましょう

また、連絡するときは最初にミーティングを入れるほうがスムーズです。取引先の現状や稼働時間など確認事項が多いため、テキストではなく対面の時間を取るのがおすすめです。

【復帰直後はスローペースを心がける】

子どもを保育園に預ける場合、最初に「慣らし保育」という期間があり、その間は1〜2時間といった短い時間しか預かってもらえません。そのため、保育園の入園直後から仕事に100%復帰するのは難しいことが多いです。さらに、保育園を抜きにしても、最初の頃は自分がどれだけ働けるのかわかりません。育児に時間を取られるほか、体力の低下によって、長時間労働や丸1日立ちっぱなしになるような仕事は難しいことがあります。

最初から全力で復帰するのではなく、長い目で見て徐々に復帰していきましょう。

おわりに

産後は、体調、赤ちゃんの性格、周りからのサポートといった自分にはどうしようもない要素で振り回されることがあります。最初から理想を描かず、変化を楽しむつもりで臨機応変に対応するほうがよいと思います。

思いどおりにいかないこともあると思いますが、産休・育休を取ったからといって自分のこれまでの仕事や成果がゼロになるわけではありません。焦りや不安に振り回されず、子どもとの時間を楽しみながら、むりのない生活を送ってください。

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