【フリーランスの仕事論】採用に迷う企業の駆け込み寺!採用広報の力を通して挑戦する人を応援 Article Image

【フリーランスの仕事論】採用に迷う企業の駆け込み寺!採用広報の力を通して挑戦する人を応援

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完全審査制のフリーランスプラットフォーム Sollective(ソレクティブ)には、やりがいのある仕事を求める優秀なフリーランス・副業人材が多数登録しています。そんな Sollective で活躍中のフリーランスは、経歴もバックグラウンドも人それぞれ。

今回は採用マーケターの神谷愛美子さんに、採用マーケティングを用いてどのようにクライアント企業を支援しているか、フリーランスになったいきさつ、今後チャレンジしていきたいことなどについて伺いました。

神谷愛美子/採用マーケター イベントプランナーや採用マーケターの職を経て、2022年フリーランスに。主に採用人事や採用マーケティング、採用広報などを請け負うが、そのほかにもリクルーティング業務、労務、人事制度設計などの人事領域全般を手がけ、スタートアップのバックオフィス立ち上げ支援も行う。 Sollective プロフィール:https://www.sollective.jp/freelancer/mamiko

プロの知見で、スタートアップや中小企業の採用をサポート

—— 神谷さんは人事関連で幅広くお仕事をされていると伺っています。

はい、採用人事や採用マーケティングに加え、最近は採用広報ディレクターの仕事も増えてきました。短期的な採用活動よりも、中長期を見据えた企業の採用活動を支援しています。

—— 採用マーケティングは比較的新しい考え方ですが、どういうものか教えてください。

採用活動にマーケティングの手法を取り入れて、戦略的に進めていくことを採用マーケティングといいます。マーケティングのパネルに合わせて、入社前から入社後までを一貫したファネル(消費者の意識変換を図式化したもの)として捉え、採用活動を行います。

私が主にやっているのは全体の戦略設計なんですが、戦略を練るコンサルティング的な業務だけだと、「人が足りない」「優秀な人を採用したい」という目の前の課題が解決しません。なので計画から入って、スカウト文を書くなど具体的に手を動かすところまでやらせていただいています。

—— どういう企業からの依頼が多いですか?

比較的スタートアップの企業様が多いです。社内に採用の専門家が不在で全体戦略にお困りだったり、そもそも人手不足にお悩みだったり。そういった課題解決を求められています。

—— スタートアップだと面接をする側も慣れていなかったりしそうですね。

フィーリング採用や、面接で言うべきでないことを言ってしまう……ということはありますね。候補者と認識のすり合わせがうまくいっていないこともあります。例えば、候補者は“カジュアル面談”のつもりでいるのに、企業側は“面接”のつもりで評価することに夢中になってしまったり、カジュアル面談後のメッセージで「選考の結果」のテンプレートをうっかり送ってしまったり。魅力のある企業なのに、そういったところで候補者の意欲が削がれてしまうともったいないですよね。

—— そう考えると、スタートアップや小中企業こそ、プロの採用担当者についていただくことが大事ですね。

そうですね。応募は多いものの、書類通過率が悪いという企業の場合は、求めている人材の母集団を形成できていなかった、ということもあります。そういう場合、優れたスキルがあってカルチャーマッチする人を母集団にする必要があるので、全体的にどこに注力するかのバランスを考えた上で、少しずつ採用自体を改革していきます。

—— 人を募集する時に、必要な職種やスキルを企業側が捉えきれていないこともありますか?

採用は、どういう条件の人が必要かというすり合わせから始まります。その時、企業側が求めるスキルを持つ候補者がどのくらいいるかをデータベースで見てみると、ミスマッチを発見できることもあります。

たとえば「Dockerが使えて、Ruby on Railsの経験が5年以上のエンジニア」のような希望があったとします。でも、それでキーワード検索をするとそれほど見つかりません。登録しているすべてのエンジニアが経験年数を入れているとは限らないし、5年以上としていても実は「実務経験はない」というパターンもあり得ます。

一方で、企業側は「実務」でRuby on Railsを使ったことがある人にこだわっていることも多いんです。

そこで、エンジニアのスキルは年数で単純に測れないことや、実務経験がなくても個人開発でよいアウトプットをしている方なら業務をこなせるかもしれないことなどを、市場感と合わせてお話しつつ、一緒にチューニングしていきます。

—— 特定のスキルより、コミュニケーション能力やディレクション能力が高い人のほうがいいという場合もありそうですね。

そうですね。人を採用することでどういう課題が解決するかをはっきりさせた上で、必要なスキルやパーソナリティーを定める必要があります。そうしないと、採用した後にお任せできる仕事がないというような状況になることもあるんです。

また、その企業に入ることで、どのようなメリットが候補者側にあるのか、つまり企業側が「社員に提供できること」は何かも必ず聞くようにしています。

—— 伺っていると、採用に困っている企業の駆け込み寺みたいですね。

採用で困っている企業が自走できるようにお手伝いしたいという思いは強いかもしれません。お仕事をさせていただく時はナレッジを落としますし、マニュアルも作りながら進めていきます。そして、ゆくゆく採用担当の方を雇うという時には、すぐにその人に引き渡せるようにしています。

—— 採用マーケターとしての神谷さんの1番の強みはどういうところでしょう?

お仕事をさせていただく企業を見ていると、まだ何をするべきか決まっていないとか、やりたいことはなんとなくあるけれど言語化できていないというところが多いと思うんです。私はそのニーズを汲み取って、前進させることに長けているかなと思います。

noteでの発信を通じて仕事の依頼が増えたことが独立への自信に

神谷さんのnote。採用についての情報発信をしている。

神谷さんのnote。採用についての情報発信をしている。

—— 以前のお仕事について教えてください。

最初は医療系の学会運営を行う会社でイベントプランナーを軸に、広く浅くマーケティングや営業、事務、採用、教育なども担当していました。ただ、それだとどの職種にも当てはまらないような気がして、だんだん将来に不安を感じるようになっていったんです。会社はとても居心地のよいところでしたが、スペシャリストになりたいと思いました。

スペシャリストになるために転職を考えた時、仕事の中で一番好きだったのは採用や教育でしたイベントの仕事には多くのアルバイトが集まるのですが、その人たちが学会の受付ですぐ働けるように、数時間の研修でプロにするのは楽しかったですね。それが、人事関係の仕事をしたいと思うようになったきっかけでした。

—— そして採用マーケターに?

たまたまデジタル広告運用等のマーケティング支援を事業とする会社が、採用マーケターを募集していたんです。採用や人事の経験は必要なく、マーケティングの知見で採用を全体的に見て戦略を立てるという仕事内容でした。マーケティングの経験はあったので、思い切って応募したところ、採用してもらえたんです。

—— 人事の仕事に関わるチャンスを掴んだんですね。

そこで採用に携わり、採用広報プロジェクトの立ち上げなどさまざまな経験を積ませていただきました。とてもやりがいのある仕事でしたが、いろいろな会社の採用事情に対応したいという気持ちが強くなっていきました。そのタイミングで同社の採用活動が落ち着いていたのもあって、転職を考えるようになったんです。

もともと副業をしていて、またイベントやSNSなどの人事コミュニティで発信もしていました。個人で書いていたnote を通じて、お声がけいただくことが多くなったことが自信につながり、ニーズがあるならフリーランスでやってみようと考えるようになりました。

—— 副業での手応えが、フリーランスへの後押しになったんですね。

それと、もう少しプライベートを大事にしたいという気持ちもありました。

というのも私は典型的なワーカホリックで、36協定で残業の上限は決まっていても、仕事を後回しにできないタイプだったんです。それで、サービス残業をするわけですが、自分が勝手にやっていることなのにだんだん不満が募っていって...…本当に自分勝手な話ですが(笑)。

フリーランスになったら、そのへんがもっと割り切れるかなと思いました。フリーランスはスキルやサービスを提供して対価を得るので、効率的に成果を出そうと考えますよね。そして、そうすれば結果的に自分のプライベートの時間も増えていくかなと思ったんです。

—— フリーランスの働き方は自分に合っていると思いますか?

はい。人事は一般的にはコスト部門ですが、フリーランス人事は売り上げを自分であげることができますし、クライアントワークでありながら社内の人間である絶妙なバランスに面白さを感じます。

ただ、ワーカホリックは治ってないので、仕事を受けすぎないようにすることが今後の課題です(笑)。でも、働き方が自由になったので、プライベートは以前より融通がきくようになったし、家族との会話も増えたと思います。

フリーランスの採用広報として、自分も相手も心地よい環境をつくりたい

採用マーケターとして働いていた会社員時代に社長賞を受賞した時の写真。

採用マーケターとして働いていた会社員時代に社長賞を受賞した時の写真。

—— お話を伺っていると、ずっと新しいことにチャレンジしているように思います。

自分が新しいことをやるというよりは、新しいことをやっている人を応援したいとか、それ以前に人をサポートしたいという思いが強いのかもしれないですね。

—— サポートをしたいという気持ちが強いことに気づいたのはいつ頃でしょうか?

1社目の時ですね。仕事で関わる医師たちは、大学で教鞭をとり、患者の診察や治療をして、その上学会の準備もしてと、目の回るような忙しさです。なので、学会発表用の論文が夜中の2〜3時に送られてくることがザラでした。そういう大変な思いをしている先生たちを、自分のできる範囲でサポートしたいという気持ちがあったと思います。

その思いが強くなったのは、私のミスによって先生からお叱りの言葉をいただいたのがきっかけでした。発生したのは、学会のプログラムが載っている会誌の編成を間違えて、発表順がよくわからなくなってしまうというミスです。

先生方は多忙なので、自分の発表の時間にだけ来て、それ以外の時間は診察をしている方もいます。それで、「スケジュールが変われば診察できる患者さんの数が減るかもしれないし、それが命に関わることもある。そういう影響がある認識をしてほしい」と言われました。その時は、そこまで考えていなかった自分に気づいてショックでした。

—— 目の前の仕事だけでなく、その先まで想像しないといけないということですね。その経験が、先の先まで考えて採用を行う神谷さんのスタンスに繋がっている気がします。では最後に、神谷さんが今後チャレンジしたいことを教えていただけますか。

採用広報の仕事がもっと認知されるようにしていきたいです。採用広報というワードが人事の中でトレンドになって始めた企業も多いのですが、まだまだ試行錯誤中の企業が多い気がします。なので、やり方や考え方も含めて採用広報というものをもっと広めていきたいと思います。

また、日本の働き方自体を変えられるような活動をしていきたいという思いもあります。いろいろな企業と関わってきて、日本企業はフリーランスの使い方には不慣れなケースもあると感じています。「業務委託=タスクベース」と考えてしまいがちなので、プロのフリーランスとの協業のしかたや、人が足りない時に必ずしも正社員を採用する必要はないということなどをもっと伝えていきたいです。

自分自身もフリーランスなので、仕事をしやすい企業を増やすことは、自分の心の健やかさにも繋がります。居心地のよさは自分で創り上げていくものですし、自分も相手も心地よいと感じられる関係がいいなと思います。

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Sollective は、「トップフリーランスの力でビジネスの可能性を広げる」をモットーに、やりがいと能力に見合った仕事を求める優秀なフリーランス・副業ワーカーと、多様化するビジネスの即戦力となるエキスパートを探している企業を直接つなぐプラットフォームです。もし、すこしでも興味を持っていただけたら、ぜひ登録いただけると嬉しいです。

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Writer / Maki Watanabe Sollective:https://www.sollective.jp/freelancer/Maki Editor / Eri Yoshida Sollective : https://www.sollective.jp/freelancer/Eri Twitter : https://twitter.com/eri_riri Contributor / Erika Iwai Sollective : https://www.sollective.jp/freelancer/Erika Twitter : https://twitter.com/IwaiErika

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