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本で広がる仕事の可能性!ハイスキルフリーランスおすすめの15冊
「1か月に1冊も本を読まない大人は6割を超える」—こんな調査データ*があるほど、読書離れが進む昨今。一方で、自らのスキルを強みに活躍するハイスキルフリーランスのなかには、読書習慣を身につけ、本から得た知識や考え方を仕事に生かす人が多くいます。
そこで今回は、ハイスキルフリーランスが集まる Sollective(ソレクティブ)のコミュニティメンバーに、「仕事に影響を与えた本」と、その理由を教えてもらいました。
ゴールデンウィークや夏季休暇などまとまった時間が取れる日に、これまで手に取らなかったタイプの本にも手を伸ばしてみませんか?思いがけない本との出会いが、新たな視点や気づきをもたらしてくれるかもしれません。
フリーランスとして独立するきっかけ・背中を押してくれた本
環境を大きく変えるのは誰しも勇気がいるもの。「フリーランスとして羽ばたきたい」と決意するきっかけや、最初の一歩を踏み出すときの心の支えになった本を聞きました。
①『30代にとって大切な17のこと』
結婚、出産、親の介護など、人生で最も忙しいとされる30代に向けて、悔いのない10年を送るための具体的なアドバイスと提案が詰まった実践書。仕事を含む悩み多き30代をどう過ごすかに焦点が当てられています。
外資系商社に勤めていた頃、キャリアの岐路に直面して悩んでいた私に、大きな勇気を与えてくれました。30代という変化の多い時期に、自分の人生を1本の線として捉える視点を得られたことで、最終的に独立を決意する後押しになったと感じています。(マーケター、プロジェクトマネージャー/フリーランス5年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:人生の節目や転換期を迎えている人
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30代にとって大切な17のこと by 本田健
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②『愛という名の支配』
女性学研究家である著者が、自身の体験と洞察をもとに、女性が自分らしく生きるために必要なフェミニズムの視点を綴った自伝的エッセイ。1992年に出版された、女性学の先駆的名著といわれる1冊です。
30代で結婚退職、離婚、再就職、そして独立という道を突き進んで40代になったときに、仕事を含めたこれまでの選択が間違っていなかったと、再認識できた本です。「仕事は人生の幹になる」という言葉が、今も心に深く残っています。(編集者/フリーランス7年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:ライフイベントとキャリアの両立を模索している女性
Amazon - 愛という名の支配 (新潮文庫)
愛という名の支配 (新潮文庫) by 田嶋 陽子
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キャリア形成や働き方の指針になった本
「自由な働き方」ができるのはフリーランスの魅力ですが、その働き方を活かすためには、自らの意志でキャリアを考え、積み重ねていく姿勢が欠かせません。そんなとき、灯台のように行き先を照らし、導いてくれる1冊があれば、大きな心の支えになります。
③『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』
心理学者アルフレッド・アドラーの思想に基づき、対人関係の悩みや人生の悩みを解消する手助けをしてくれる本。哲学者と青年の対話形式を通じ、対人関係を改善していくための方法をわかりやすく提示しています。
仕事でもプライベートでも、「コミュニケーション力を高めたい」と考えていたときに手に取った本です。人との関わり方や、適切な距離の取り方に悩んでいる私にとって、実践的なアドバイスがとても参考になりました。価値観を見直す良いきっかけにもなったと感じます。(マーケター、プロジェクトマネージャー/フリーランス5年目)
「他人の評価に左右されず、自分らしく生きる」というメッセージは、日々の仕事で直面する課題に大いに役立っています。まるで友達と語り合っているかのような、親しみやすくわかりやすい文章も魅力で、「これなら自分にもできそう!」と何度も自信を取り戻せました。(エンジニア/フリーランス8年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:仕事の選び方や取引先との関係性に悩んでいる人
Amazon - 嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え by 岸見 一郎, 古賀 史健
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💡関連記事:フリーランスが取引先に「NO」と言う方法 | 評価を上げるバウンダリーの引き方
④『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』
1000万人以上に読まれている、世界的ベストセラーのビジネス小説です。ビジネスの目的を徹底的に追求する大切さを説き、組織マネジメントに必要な思考法を、ストーリー形式でわかりやすく伝えています。
営業の仕事をしていた会社員時代、「まずは数をこなせ。その後で率を上げろ」と上司によく言われていたのですが、その考えが「制約条件の理論」として整理されていると知り、納得できました。以来、自分の言葉で後輩や部下に説明できるように。本書は製造業の話ですが、どの業種にも応用できる内容だと思います。(ビジネストランスレータ、データインサイトトランスレータ/フリーランス4年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:仕事を選り好みしがちな、駆け出し期の人
Amazon - ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か by エリヤフ・ゴールドラット, 三本木 亮
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⑤『ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論』
朝日新聞編集委員で作家、猟師でもある著者の仕事論です。仕事・勉強・遊びを切り分けるのではなく、互いに補完し合うことで全体が強化され、幸せへとつながるという独自の視点を提案。それぞれの要素を充実させる方法が綴られています。
「フリーランスこそ、ワークライフバランスやメリハリが大事」という思い込みが、自分を苦しめていたことに気づいた本。仕事と遊びは本来シームレスにつながっており「遊びこそ真剣に取り組め」というメッセージが印象的です。独特の言い回しが癖になる語り口で、ほかの著書もおすすめです!(ライター/フリーランス10年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:フリーランス歴が長く、今後「どう働くか、生きるか」に悩んでいる人
Amazon - ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論
ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論 by 近藤康太郎
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⑥『妹たちへ』
恋愛、結婚、出産、そしてそれに伴うキャリアに悩む20〜30代の女性に贈るエッセイ集。同じような悩みを乗り越えてきた先輩であり「姉」ともいえる27人の女性著名人が、どんな壁を乗り越えてきたのか、具体的なエピソードを交えて語っています。
社会人になった2000年代半ば、女性のロールモデルが少ないなかで先輩たちのキャリアを学べた1冊。偶然の出合いや予期せぬ機会からキャリアを広げていった女性たちの姿に勇気づけられたとともに、先のことをあれこれ思い悩まずとにかく目の前の仕事に一生けん命取り組むことが大事だと考えるきっかけになりました。(編集者/フリーランス7年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:今後の方向性やキャリアに悩んでいる女性
妹たちへ
妹たちへ
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💡関連記事:【フリーランスの時間管理術】案件数は月15件!独立15年の女性ライターに聞く秘訣
⑦『デザインの野性: 人間・道具・環境(夢本シリーズ)』
デザインは、専門的な知識や技術だけで成り立つのではなく、デザイナーとユーザーが共に創り上げるものだという新たな視点を提起した1冊。1994年に出版された本書は、デザインへの理解を根底から問い直してくれる1冊ですが、残念ながら現在は絶版となっています。
デザインの仕事は、単なる論理的な整理だけでなく、「どちらに向かえばよいか」という直感や本能的なセンス、偶然の出会いを活かす行動力も必要。そうした性質を備えていれば、自分や周囲にも力を与えるものづくりができるのではないか…という問いが投げかけられており、当時20代だった私はとても刺激を受けました。(グラフィックデザイナー、アートディレクター/フリーランス20年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:即効性よりも、じっくりと本質的なスキルを身につけていきたい人
Amazon - デザインの野性: 人間・道具・環境 (夢本シリーズ)
デザインの野性: 人間・道具・環境 (夢本シリーズ) by 大坪 牧人
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フリーランスの仕事術と思考法が学べる本
会社員とは異なり、フリーランスは上司や同僚といった身近なサポートを受けにくい環境で働いています。だからこそ、仕事の進め方や働き方に関する悩みや課題が生じたとき、頼れる指南役となる本を知っておくと心強いです。
⑧『「読む」「書く」「考える」は5分でやりなさい! 小宮式・最速仕事術』
経営コンサルタントとして多数の著書を持つ著者が、多忙でも良質な仕事を生み出すメソッドを紹介。時間管理術、効率的に読む技術、論理的に考える技術、すばやくわりやすく書く技術など、仕事を速やかに進めるための実用的なアドバイスが満載です。
とりあえず行動に移す習慣を身につけるきっかけとなった本。多くの自己啓発書でも語られる「まず着手する」の考え方は、この本が最もしっくりきました!特に「納期の半分で8割の仕上げ、納期の8割で10割の仕上げ、残りの時間で120%を目指す」という手法は大変参考になり、実際にマネしています。(ビジネストランスレータ、データインサイトトランスレータ/フリーランス4年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:独立したばかりの人、スピード感を持ってアウトプットの質も高めていきたい人
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「読む」「書く」「考える」は5分でやりなさい! by 小宮一慶
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⑨『佐藤可士和の超整理術』
さまざまな分野のデザインやブランディングで活躍する佐藤氏が、複雑な情報やアイデアをわかりやすく整理し、効果的に伝える方法を伝授。視覚や直感を活かした具体的なテクニックを学ぶことで、仕事を成功に導く考え方が身につきます。
デザイン制作で活用される情報整理の手法を出発点とし、デザイナー以外にも応用できる思考整理の方法が紹介されているのがユニークです。仕事や私生活で直面する複雑な状況に対し、冷静に判断するための情報整理が丁寧に解説されている点も大きな魅力です。(アートディレクター、ウェブデザイナー/フリーランス13年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:物事や状況を客観的に確認、判断するスキルが欲しい人
佐藤可士和の超整理術
「アイデアは無理やりひねり出すのではない。対象を整理し相手から見つけ出すものだ」――各界から注目され続けるクリエイターがアイデアの源を公開。現状を打開して、答えを見つける方法を教える。 SMAP、ユニクロ、大学、携帯電話まで斬新なデザインとアイデアで話題を呼ぶ佐藤可士和の、2007年9月発売のベストセラー、待望の文庫化です。
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⑩『必ず最善の答えが見つかる クリエイティブ・チョイス』
具体的な事例や実践的なテクニックを通じて、困難な局面でも最適な答えを導き出す方法をわかりやすく解説しています。いつも迷って時間ばかり過ぎてしまう人にとって、効果的な解決策を見出す力を養うのに役立つ本です。
普段は自己啓発本をあまり読まない私ですが、この本には大きな影響を受けました。仕事でも日常生活でも、私たちは常に YES か NO の二者択一を迫られがちです。しかし本書は、どちらかを選ぶのではなく、自分が望む行動や結果に合わせて、新たな選択肢を自ら生み出すという考え方を提案してくれます。(アートディレクター、ウェブデザイナー/フリーランス13年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:たどり着きたい結果に向けて、自分に合った選択肢や手段を見つけたい人
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必ず最善の答えが見つかる クリエイティブ・チョイス by 堀内 浩二
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スキルアップ&専門性を磨ける本
仕事の質が次の依頼に直結するフリーランスは、常にスキルと知識をアップデートしなければなりません。実践的な学びを得られる本との出会いが、その成長の一助になってくれるはずです。
⑪『ジェンダー目線の広告観察』
2010年代末からコロナ禍にかけての広告を観察し、そのなかで表現されたジェンダーに関わる「らしさ」について問いかけるエッセイ。世に溢れるマーケティングコンテンツによって、無意識に刷り込まれた価値観に気づく1冊です。
私自身、広告によって価値観や思考に大きな影響を受けた経験があるため、情報を発信する際にステレオタイプを助長しない表現を心がけています。本書では、主にジェンダーステレオタイプに基づく広告ビジュアルが分析されており、表現者に必要な視点や、自分の内面に潜む固定観念に気づかされました。(編集者/フリーランス7年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:マーケティング系の企画にかかわる人、言葉やビジュアルなどを作る立場の人
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ジェンダー目線の広告観察 by 小林美香
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⑫『デザインのデザイン』
アートディレクターである著者が、自身のデザイン哲学と制作プロセスを解説。代表的な制作物を例に、なぜそのデザインを選んだのか、その背後にある思考や価値観を明らかにしながら、デザインの本質に迫っています。
この本を読むと、原さんの作品だけでなく、世の中のあらゆるものが「使いやすさ」と「美しさ」を意図してデザインされていることに気づかされます。その視点は、自分のアウトプットにも同様の配慮ができているか、どんな工夫が必要かを見直すきっかけにもなります。日常の行動や発言にも応用できる考え方だと感じました。(アートディレクター、ウェブデザイナー/フリーランス13年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:手段にとらわれず、目的を見据えて業務や行動に落とし込みたい人
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デザインのデザイン by 原 研哉
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⑬『デザインするな:ドラフト代表宮田識』
広告デザイン会社「ドラフト」代表である宮田識氏の、デザイン哲学や制作プロセス、そしてデザインと社会との関係性を深く掘り下げた本。実際のクリエイティブ制作の現場を通して、デザインの目的、意図、コンセプトを深く理解し、最適な手段を選ぶ重要性を伝えています。
衝撃的なタイトルにもかかわらず、デザインの根本に立ち返る視点を与えてくれます。制作プロセスにおいて、細部にこだわる前に「まず目的や意図を明確にするべき」だという考え方は、日常生活でも役立ちます。たとえば懇親会を、単なる食事会と見るのではなく「親密になるための機会」と捉えることで、手段を目的に合わせて選べるようになると感じました。(アートディレクター、ウェブデザイナー/フリーランス13年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:業務やコミュニケーションのなかで、相手の意図や目的、伝達事項を的確に汲み取りたい人
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デザインするな: ドラフト代表宮田識 by 藤崎 圭一郎
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⑭『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』
伝わる文章を書くためのポイントと実戦のコツを、文章術のベストセラー100冊から抽出した実用ガイド。文章力を向上させたい人はもちろん、普段のコミュニケーションやビジネスシーンで即戦力となるテクニックを身につけたい人にも最適です。
仕事柄、文章術に関する本をたくさん読んできましたが、「1文を短くする」など多くの本で語られてきたノウハウが整理されており、これ1冊で十分だと感じました。これからは、AI 活用時に求められる「的確なプロンプト作成能力」のように、あらゆる仕事で文章スキルがより重要になると思います。言語化の力を鍛えるうえでも、大いに役立ちます。(ライター/フリーランス10年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:文章に関するノウハウを体系的に学びたいフリーランス
Amazon - 「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 by 藤吉 豊, 小川 真理子
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⑮雑誌『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』
国内外の最新の経営理論や実践事例をわかりやすく解説するビジネス誌。幅広いテーマを扱い、経営層や研究者の寄稿を掲載し、現代のビジネス環境で成功するための知見や実践的なアプローチを提供しています。
毎号異なるトピックが取り上げられ、先進的なアメリカの考え方が紹介されているので、知識のブラッシュアップとトレンドのキャッチアップに最適です。「人材戦略」がテーマの号では、ハイスキルなフリーランスとの協業についても詳しく論じられており、とても興味深いテーマでした。(マーケター、プロジェクトマネージャー/フリーランス5年目)
🚩こんなフリーランスにおすすめ:ビジネスの最新トレンドを知りたい人
Amazon - DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー20 2025年4月号 [雑誌]特集「持続可能なハードワーク」 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー20 2025年4月号 [雑誌]特集「持続可能なハードワーク」 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー by ダイヤモンド社, DIAMONDハーバード・ビジネス編集部
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読書は、学びもリフレッシュも叶えてくれる
気になる本は見つかりましたか?
デザインやライティングなど、タイトルによっては一見、特定の職種向けのように感じるかもしれませんが、どの本も仕事に幅広く応用できる考え方やヒントが詰まっています。少しでも気になる本があったのなら、ぜひこの機会に手に取ってみてください。
読書は頭を働かせつつも、心をゆるめてくれるもの。休みの日にはスマホやパソコンを閉じ、ゆっくりと過ごせる場所で本と向き合ってみるのもおすすめです。
ページをめくるうちに、フリーランスとしてキャリアの幅を広げるためのヒントがきっと見つかるはずです。
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Writer / Shinobu Takayama
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Editor / Yuna Park
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