「絵文字」が世界のビジネスで欠かせない存在に? ハイブリッドワークでの新しいコミュニケーション
新型コロナウイルスの流行により広まった新しいワーキングスタイル「ハイブリッドワーク」は、単なるコロナ予防対策・応急措置ではなく、世界の働き方の主流になりつつあります。
Airbnb や Apple をはじめとした大手 IT 企業も積極的に新しい就業規則を確立しており、 全世界の IT 管理者の95%がハイブリッドワークに向けてIT戦略を見直したという調査結果もあります。
私たち株式会社ソレクティブ(Sollective)もハイブリッドワークを採用していますが、リモート作業では Zoom や Google meet などのバーチャルミーティングツールを活用したり、 Slack などのテキストコミュニケーションで業務を進めることが多くなります。
とても便利ですが、PC画面上からの情報のみでチームの感情を読み取ることは難しいのも事実。そのため、コミュニケーションのズレやすれ違いが起きやすく、リモートだけでチームの団結力や信頼関係を築く難易度は高いという印象です。
実際、「コロナ禍におけるリモート勤務の実態・意識調査」によると、89%がリモートワークに不満、64%がコミュニケーション不足に不安を感じているというデータも出ています。
そんな中、日本発祥の「絵文字」がハイブリッドワークのコミュニケーションを円滑にするツールとして有効であると世界中で言われているのをご存知でしょうか?
この記事では、英語圏で絵文字がどのように評価されているのかを紹介しながら、リモート・ハイブリッドワークに有効な絵文字を使ったコミュニケーションのメリットや注意点を紹介していきます。
絵文字を使うメリット
英語圏の記事を見ていると、コロナ禍の中でリモートワークをしてきた企業の多くがデジタルミスコミュニケーションに悩まされており、その悩みは世界共通なのだと感じます。
同時に、この問題の解決策も多く語られていますが、その手段のひとつとして「絵文字」を有効的に使うと良い、という提案がされることも。具体的にどのようなメリットがあるのか、いくつかの記事を参照しながらご紹介していきます。
メンバーがどのように感じているか、察することができる
Harvard Business Review の記事「Using Emojis to Connect with Your Team(絵文字を使ってチームと繋がる)」には、以下のような事例が紹介されています。
普段の会話の中で、元気ではないのに「元気です」と答えてしまったり、大丈夫ではないのについ「大丈夫です」と言ってしまう方も多いのではないでしょうか。ですが、私たちの感情はもっと複雑なはず。創造性にあふれる人の心の中は、いくつかの感情が複雑に同居しているという研究結果もあるほどです。
参加メンバーが多いバーチャルミーティングで全員の体調を気遣うことは難しいかもしれませんが、この方法であれば「元気です」という標準的な言葉だけでなく、より幅広い感情を表現することが可能になります。
1日の仕事を始める時、Slack などでその日の感情を絵文字で可視化し、チーム内で共有するというのも良いかもしれません。
チームの雰囲気を良くする
感情とは伝染するものです。ですが、デジタル空間ではさらに感情が伝染する影響力が強い可能性があることが、Trends in Cognitive Sciences に掲載されている研究により示唆されています。
また、「Using Emojis to Connect with Your Team(絵文字を使ってチームと繋がる)」の記事によると、「チームの感情状態や気分を把握・管理することは、リーダーシップにおいて重要な要素」であり、以下のような体験談が述べられています。
ソレクティブでも、新しいチームメンバーがジョインした際に GIF を使用して歓迎しています。筆者が Slack ではじめて挨拶した時 CEO の岩井がユニークな GIF を Slack にあげてくれたおかげで緊張も解け、チームに馴染めると安心したことを覚えています。
共感を伝える・共感を得やすくなる
チームメンバーそれぞれがお互いの意見を尊重しながらも、ひとつの決断・選択肢を選ばなければならない場面も多くあるでしょう。相手に共感していることを伝える、または共感を得やすくする必要がある時には、メッセージが相手に与える視覚的インパクトを意識すると良いかもしれません。
Harvard Business Review の記事「Slow Down and Write better Emails(スピードを落として良いメールを書こう)」では、このように述べられています。
この記事の著者であり、21世紀のチームワークとコラボレーションのエキスパートとして「Digital Body Language」という本も出しているエリカ・ダワン氏は、メールを送信する前に、以下の質問を自身に問いかけてみることを同記事でおすすめしています。
また、「テキストの口調が読み手に与える影響は想像以上に大きい」とも説明しています。誰かの努力や意見に一言で返答してしまうと、共感されていると感じられず、冷たい印象を与えてしまうそうです。
普段からコミュニケーションを取っているメンバーであれば、絵文字を有効に利用して、自身のメッセージの「トーン」を調整してみても良いかもしれません。
絵文字を使う上での注意点
絵文字は「トーン」や感情的な合図を表現したり、説明を補足する上で役立ちまずが、突然「😜」のような絵文字を追加すると、唐突に感じたり、社会性に欠けた人だと思われてしまう可能性があります。
Harvard Business Review の記事「10 Digital Miscommunications — and How to Avoid Them(デジタルコミュニケーションにおける10の誤解とその回避方法)」では、絵文字の使い方について以下のように紹介しています。
絵文字は、相手やチームの雰囲気を見ながら使ったり、無難な絵文字の使用に絞ったりすることで、相手とのコミュニケーションミスを避けることができそうです。
伝えたい内容に合わせて絵文字を使い分けるのがおすすめ
ソレクティブのメンバーに「何を意識して絵文字を使っているか」を聞きまわってみたところ、「相手を尊重する気持ちや感謝を絵文字によってオーバーに伝えるようにしている」「送る相手との関係性によって使い分けている」という声がありました。
ポジティブな印象を相手に与えることによってコミュニケーションを円滑にしたり、言いにくい内容だけど伝えなければならないときは文面が柔らかくなるように気をつけるなどの工夫をしているようです。
CEO 岩井の場合、ビジュアル面からもメッセージが伝わるように、補足要素として絵文字を活用しているとのことでした。
コミュニケーション方法に正解はありません。プロフェッショナルさを保ちながら、自身の立場・環境内でのキャラクター、メンバーとの関係性や相手のバックグラウンドに合わせてうまく絵文字を使い分けることができれば、心強い武器になりそうです。
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