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2023.04.25# トレンド

不況下で8割のアメリカ企業が頼るフリーランス、日本企業によくある不安とは?

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アメリカでは景気後退を受け、昨年から数々のテック企業が数千人から1万人規模の解雇に踏み切りました。レイオフの波はほかの業界まで広がり今日まで続いています。

そのなかで、ある調査によるとアメリカでは景気低迷時に頼れる人材としてフリーランスが高く評価され、すでにフリーランスと協業を進めている企業が8割を超えることがわかりました。

一方、日本でフリーランス採用を行う企業はまだまだ少数派。進まない背景にはどのような理由があるのでしょうか。

今回はアメリカと日本での調査結果を紹介しながら、日本企業が抱きがちなフリーランス採用についての不安や誤解を分析し、解消していきます。

アメリカ企業はフリーランス採用を促進。日本は5割が「検討しない」

大規模レイオフが始まる前の2022年8月に発表された調査によると、現状を予告するようにアメリカ企業の78%が景気低迷のためレイオフを予定していると回答。その一方で、不況下で労働力を確保するために43%がフリーランスを採用予定だと答えました。

また、81%のアメリカ企業はすでにフリーランスとの協業を行っており、8割は「景気低迷時には柔軟に動ける個人の人材が助けになる」と回答しています(出典1)。

💡関連記事:アメリカ企業でフリーランス採用が進む2つの理由

日本は8割以上の企業がフリーランス協業の経験なし

日本でも景気の見通しは明るいとは言えませんが、フリーランスの採用がアメリカほど進んでいるとは言えません。少し前のデータですが、2016年の時点でフリーランス等外部人材を活用している日本企業は18.9%にとどまります(出典2)。また8割以上の日本企業がフリーランスとの協業経験がなく、半数近くが「フリーランスとの協業を検討するつもりはない」と答えました。

フリーランス採用のメリットより不安が大きい?

なぜ日本ではフリーランス採用を検討すらしない企業が多いのでしょうか。背景には未経験ゆえの不安があるようです。

ここからはフリーランス採用について企業が抱きがちな不安を分析。その解消策だけでなく、フリーランスに期待できる価値についても紹介していきます。

不安1:外部人材と働くのは余計な負担が増える?

まず考えられるのが、外部人材を招き入れることでかえって手間が増えるのではないか、との不安です。職場のノウハウや働き方をフリーランスに共有するため、結局従業員の負担が増すのではと感じる場合もあるかもしれません。

コミュニケーションの手間は立場に関係なく必要 確かに仕事の依頼内容や業務に関係のある社内のルールや文化(たとえば「毎週定例に参加が必須」「どんどん提案が欲しい」など)は伝える必要があります。しかし、このような共有は従業員間の場合も同様に必要です。

フリーランスなら即戦力に むしろフリーランスに期待できるのは即戦力としての働きです。多くの場合、フリーランスは業務と責任範囲が明らかなジョブ型で働いています。依頼をすれば、あとは自律的に動く前提のため研修をする必要もありません。

また多くのフリーランスは実績を積み次の仕事につなげるために、取引先に不要な手間をかけずに業務を進めるよう努めています。

💡関連記事:「ジョブ型雇用」とフリーランスの相性が最高な理由と、採用のために知っておきたいこと - 岩井エリカの視点

不安2:社内で人材を見つけた方がよい?

「短期プロジェクトだから」「小さいタスクだから」との理由で、社内で人材調達をした方がよいと感じる状況や、フリーランスより新規雇用で適任者を見つけようと考える場合もあるかもしれません。

適任者を社内で見つけるのも簡単ではない しかし、新しい業務への適任者を社内で見つけるのも簡単ではないでしょう。また新規に雇用する場合、固定の人件費に加え採用の時間もかかります。さらにプロジェクトを途中で止めなくてはならない場合、社内での人材配置を考え直す必要も出てきます。

必要なときに必要なだけ協業できるフリーランス フリーランス採用の魅力の1つが、必要時に必要なだけ協業できることです。期間やボリュームを調整すれば限られた予算でも経験豊富なプロフェッショナルを採用できます。また見通しのきかないプロジェクトの場合でも、フリーランス協業なら速やかに撤退しやすいためダメージを最小限に押さえられるでしょう。

不安3:フリーランスの能力が心配?

フリーランスのスキルの測り方がわからない場合や、コミュニケーション力に不安を感じる場合もあるかもしれません。

そもそもフリーランスとは専門能力が高く自律的に動ける人材 フリーランスは、仕事内容が評価や収入を左右する環境で働いています。そのため、フリーランスが活動を続けていること自体が、専門能力が高く自律的に動ける人材であると裏づけているようなものです。

実績や経歴がひと目でわかるプラットフォームも 加えて採用を成功させるためには、面談前に詳細な経歴を確認するだけでなく、可能な場合はポートフォリオの提出を依頼しましょう。過去の実績を確認でき、相性がぐっと測りやすくなります。

業務内容によってはトライアルを設けるのも一案です。トライアルのやりとりで、実際に協業した際のコミュニケーションのイメージもつきやすくなるはずです。またタスクを複数のフリーランスに小分けにして依頼をし、仕事を進めるなかで人材を絞ることもできます。 優秀なフリーランスの採用をスピーディに進めたい場合には、フリーランス協業を支援するプラットフォームの活用も検討しましょう。

💡関連記事:【企業とフリーランスの幸せな協業 #1】開発支援企業 Anti-Pattern × エンジニア佐藤さん

不安4:情報漏洩のリスクが高い?

外部人材に重要な情報を共有して大丈夫か、リモート環境で働く場合など意図せず漏洩してしまう場合はないかなど、フリーランス採用による情報漏洩を懸念する場合もあるでしょう。

失敗が響くためむしろセキュリティ意識は高い 実際のところ、フリーランスは失敗がその後の仕事に影響することもあり、セキュリティ意識の高い人が多いと言えます。

加えて、業務開始前にしっかりと秘密保持契約書を交わしておきましょう。また安全なやりとりのため自社のメールアカウントやチャットツールアカウントの提供、使用機器の貸し出しや、オンサイト業務で依頼するなどの選択肢もあります。

💡関連記事:組織改革したい企業のためのフリーランス協業論。議論メシ黒田さん×エリカ対談

フリーランス採用でアジャイル経営やノウハウ獲得が加速

このようにフリーランス採用にまつわる不安を突き詰めてみると、多くは社内人材でも起こりうる不安や、対策が可能な内容だと感じるのではないでしょうか。

さらに、フリーランス採用はアジャイル経営をあと押しする力にもなります。協業が企業に知識や経験をもたらし、新たなノウハウを社内に蓄積する機会にもなるでしょう。

フリーランス協業は小さな規模から始められます。不況下でも従来通りの雇用を続けるしかないと感じて不安を抱えているなら、新たな選択肢としてフリーランス採用を検討する価値は大いにあるはずです。

出典1:Fiverr Business, 85% of U.S. Business Owners Plan to Implement a Hiring Freeze During Economic Downturn

出典2:経済産業省:「雇用関係によらない働き方」をめぐる企業の取組みについて

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