欧米のオンライン会議の事例から学ぶ。ミーティングの価値を高める方法 Article Image
2021.08.18# トレンド

欧米のオンライン会議の事例から学ぶ。ミーティングの価値を高める方法

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新型コロナウイルスの影響でリモートワークやオンライン会議は一気に増えました。ワクチン接種によって日常が戻ってくると予測されていましたが、世界中で感染者が再び増えていることを考えると、まだまだこのワークスタイルは続きそうです。

前回の記事では、これからの企業は働く人自身がライフスタイルに合わせて働き方を選べるようにすること。そして企業風土の変化や透明性の高い仕組みが必要になってきそうだ、という話を紹介しました。

とはいえ、企業の風土や仕組みの見直しには時間がかかります。そこで、すぐに取り入れられるメソッドとして効果的なオンライン会議の方法を、欧米の事例をもとに紹介します。

オンラインミーティングが疲れる理由

私たちがおすすめしたいのは、オンラインミーティングの見直しです。2020年に「Zoom 疲れ」という言葉が流行ったように、オンラインミーティングは対面よりも疲労感が高まる傾向にあるようです。記事では、他人との繋がりがオンライン中心になることでの心理面への影響を、このように説明しています。

画面を通じて人と対話すると、私たちの脳には普段よりも負荷が掛かる。部屋の匂いや、目の片隅に入る細かな情報など、生の会話だったら入手できる状況理解のためのヒントがほとんど得られないからだ。補助的な情報がないと、脳は状況を理解するために余計に働く。これがマイナスの結果につながりかねない。

加えて、精神的なストレスも引き起こすと言います。

ある研究によれば、国連や EU でリモートの仕事をしている通訳者は、その場に自分が加わっていないような疎外感を抱いていた。ビデオ通話でカウンセリングを行ったセラピストは、クライアントとの「結び付きが損なわれた」と報告している。学生と教師のやりとりの研究によれば、もともと不安を感じやすい学生はビデオ通話による口頭試験だとじかに対面する試験より不安が増していた。その結果、試験の成績は悪くなりがちで、特に自分の顔が画面で見えると学生の不安は高まった。

脳の負荷の大きさや、オンライン会議をすることにより働く人の不安感やストレスが増えてしまうのは、目に見えないからこそ大きな問題になりえます。リモートワークを推奨しながらミーティングの方法をそのままにしている企業は、改めてやりかたを見直したほうがよさそうです。

明日から変えられるミーティングの方法

では、欧米の最新状況を交えながら具体的な改善方法を紹介していきます。FAST COMPANY の「ハイブリッドワークプレイスでのダメな会議を解決するための3つの確かな戦略」では、リモートワークが定着した今、オフィスに来ることのストレスが大きくなっていて「今日は Zoom ミーティングで済んだのに」という話がこれから増えるだろうと予測しています。またマイクロソフトは「世界的に見て過去1年間の会議数は2倍になった」と言います。パンデミック期間中に多くのミーティングが Zoom などを使ったオンラインミーティングになったことで、効果的なミーティングのあり方を考える必要が出てきた。そのため、先述の FAST COMPANY の記事では以下の3点に気をつけることで、会議そのものの価値を高めることに意識を向けることが重要であると述べています。

・プッシュ型ではなくプル型で 情報をただ伝えるだけのプッシュ型ミーティングは、メールや Slack などに切り替えることを検討してみてください。単に情報を提供するだけでは参加者に興味を持ってもらえません。一方、プル型のミーティングでは、参加者とコンテンツとの繋がりを作り「参加したい」と思わせることで、参加者が貢献する機会を生み出します。 ・プル型でのアプローチを心がける 参加者をミーティングに引き込むためには、役割を与えて能動的な立場になってもらいましょう。たとえば質問やヒントを与えたり、進行中の案件についてフィードバックを求めたりすることで、参加者はあなたに必要とされていると感じ、ミーティングに集中できます。 ・そもそもミーティングを行う必要があるのか考える ミーティングを行うのは参加者と繋がるためです。一方的に情報を伝えるのではなく、参加者との関係性を作り対話することが必要となります。ミーティングを計画する時に考えるべきは、対面かバーチャルかではなく、ミーティング自体が必要かどうかです。繋がりを生み出すミーティングであれば対面であってもバーチャルであっても効果は同じです。

これまでの対面での会議と同じ気分でオンライン会議を開催していると、それだけで参加者の疲労がたまり、メンバーの生産性は下がってしまいます。リモートワーク・ハイブリットワークの環境下では、会議を見直すだけで働きやすさは格段に変わると言えそうです。

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