【フリーランスの仕事論】法人営業から独学で映像クリエイターへ。営業の視点で企業を理解し映像で伝える
完全審査制のフリーランスプラットフォーム Sollective(ソレクティブ)には、やりがいのある仕事を求める優秀なフリーランス・副業人材が多数登録しています。そんな Sollective で活躍中のフリーランスは、経歴もバックグラウンドも人それぞれ。
今回は映像クリエイターとして活躍中の中越皓輝さんに、フリーランスになったいきさつや映像制作への想い、仕事におけるご自身の強みなどについて伺いました。
企画立案から編集まで、全工程を手がける映像クリエイター
—— 映像制作といっても企画から撮影、編集と幅広いですが、中越さんはどこからどこまでを担当されるのでしょうか?
案件によってさまざまですが、全体のディレクションから基本的な制作までほとんど対応できます。
現在、約7割が広告代理店やWEB系の制作会社、マーケティング会社からのご依頼で、残りの3割がエンドクライアントとの直接取引です。間に会社が入る場合は企画や構成ができていることが多く、撮影・編集の実制作だけこちらで行います。逆に直接やり取りする場合は、最初のヒアリングから入って、企画立案から撮影・編集まで行うことがほとんどです。
あとは、非常に複雑なCGやアニメーションなどが入る場合は、専門のクリエイターにお任せします。いつもお願いする人は大体決まっているので、一緒にチームを組んでやることが多いです。
—— どのようなタイプの映像を作ることが多いのですか?
企業のブランディングやプロモーションのほか、企業紹介や採用のための動画、YouTubeの広告、デジタルサイネージ、社内向けのマニュアル動画など、表現力が求められるものから硬めのコンテンツまで幅広く扱っています。
—— 今まで手掛けた映像の中で特に思い入れのあるものを教えてください。
ひとつあげるとしたら、独立した当初からのクライアントである都田建設さんのブランディングムービーです。
浜松市の都田町で建設会社を営んでいる企業さんですが、メイン事業とは別に過疎化した都田町の町おこしにも取り組んでいて、豊かな自然を壊さない建設や自然とインテリアの融合などに力を入れておられます。
クリエイティブな世界観をお持ちの企業さんなので、映像を作らせてもらえること自体がとてもありがたかったですし、その世界観やブランドをいかに壊さずに映像の中で活かせるかというところが課題でもあり、楽しみなところでもありました。幸いできあがったムービーは気に入っていただけて、他の会社さんからの仕事の依頼にも繋がり、自分の中で代表作といえる作品になりました。
—— ナチュラルな雰囲気がとても素敵な作品ですね。映像を通して都田の魅力が伝わるし、行ってみたくなります。
あとは、アパレルブランドのタトラスが開催する映像コンテストで受賞した作品も思い出深いです。
これは、企画、撮影、編集はもちろん、ヘアメイクさんやスタイリストさん、モデルさんへの依頼やロケ地の確保など、プランニングにも力を入れた作品です。
撮影は綿密に作った絵コンテをもとに、夜間だけレンタルスタジオとして貸し出される川崎の工場で行いました。でも、実際に撮影に入ると蛍光灯のライティングなどが思いのほか難しく、現場で試行錯誤しながら進めることになったんです。
それでも、思い描いていたものにとても近い作品ができて、受賞したときもこれまでで一番感動がありました。
映像ソフトにはまり、独学でクリエイターの道に
—— フリーランスになる前はどのようなお仕事をされていたのですか?
メンタルヘルスケアサービスの法人営業をしていました。従業員の方の心や体をサポートして、福利厚生につなげていくというサービスです。でも、自分は営業職に向いていないなと思って辞職を決意しました。
また営業代行という形で他社サービスを扱っていたので、次は自分自身で作ったものを売りたいという気持ちもありました。
—— それで、自分で作る方向に転換されたんですね。転職することもできたと思いますが、なぜフリーランスに?
以前の営業の仕事が歩合制で、フリーランスに近い働き方だったんです。なので別の会社に就職するイメージが湧かなくて、むしろちょっと怖いという気持ちもありました。だから意を決して独立というのではなく、流れに任せてそのまま独立した感じです。
—— では、その中でも映像の仕事をしようと決めたきっかけは何だったんでしょうか。
本当にたまたまでした。次にどんな仕事をするか全然決まっていなかったので、アフィリエイトで稼ぐためにブログを書いてみたり、デザインの勉強をしてみたり、物販に手を出してみたりしたんですがどれも面白くなくて......。
そんな時に、偶然インストールした映像のソフトにすごくハマったんです。それまでカメラを触ったこともなく、映像が特に好きというわけでもなかったんですが。
それから半年間はチュートリアルの動画を見て、試行錯誤しながら独学でひたすら動画を作っていました。そして、クラウドソーシングのサービスに出品を始めて、仕事に繋がるようになったので独立した感じです。それが2018年でしたが、当時はまだ同業者が全然いなくて、わりと簡単に仕事の依頼がきました。
—— そのときのお客さんが、固定のクライアントになっていったのですか?
いえ、たまにリピートしていただくぐらいでした。それに、その頃の仕事は撮影済の素材をいただいて編集して納品というオンラインで完結する形式だったので、だんだん面白くなくなって、撮影も自分でやり始めたんです。
そこで、自分のパフォーマンスが発揮できるクライアントと繋がりたいと考えるようになり、直接企業さんにフリーランスとして営業するようになりました。
—— 新しい取引先を見つけるための営業はどういう風に?
ウェブサイトなどで会社や代表のことを調べ、SNSのメッセージ機能を使ってポートフォリオを送りました。
実は営業資料にするようなポートフォリオもなかったんですが、独立して開業届けを出したすぐ後にアジア圏を中心に4カ月旅行して、その時に撮った映像をひとつの作品にまとめてあったんです。当時は単純に海外で撮影がしたい、作りたいという一心で作品をまとめたんですが、結果的にそれが営業資料として使えました。
—— そのポートフォリオがあったから案件が獲得できて、あとに繋がっていったわけですね。
当時はまだ動画を作っている企業が少なくて、「ちょうどやりたかったんでお願いします」と言われることがよくありました。クリエイティブに対する意識が高そうで、自分の作りたい世界観と合うのではと感じられる代表の方に連絡していたので、それもよかったと思います。
大切なのはクライアントの伝えたいことを映像で表現すること
—— 仕事上、心がけていることや中越さんの強みを教えてください。
クリエイターである限り、創造することの楽しさや面白いことに挑戦する気持ちは忘れずにいようと常に思っています。作業として終わらせるような仕事は、この先やることはたぶんないと思います。
あとは、僕の仕事で一番大切なのは、クライアントの伝えたいことや課題を映像で表現したり解決したりすることだと考えているので、その企業さんが求めていることや課題を最初に理解するように心がけています。そのため、できるだけヒアリングやディスカッションをして、結果としてアウトプットのクオリティが高まるようにしています。
なので、ディレクションができることもですが、企業さんが映像を制作する目的に制作物で応えられる点が強みだと思います。
—— クライアントがやりたいことや課題を一緒に考えて、それをどういう風に表現するかにお仕事の軸を置いているのですね。
企業さんを理解するのに、前職の営業でメンタルヘルスケアという効果測定の難しいものを扱ってきた経験が活きていると思います。何が課題なのか、クライアントにどのように価値を感じてもらうかなどを常に考えてきましたから。
それと、営業時代を含め、代理店や制作会社、企業さんなどといろいろな関わり方や交流をしてきたことも、クライアントを理解するうえで役立っていると思います。
—— そういう経験があるからこそ、クリエイター畑でキャリアスタートした人とは違う視点で物事を捉えられて、それが映像のディレクションにも活きているのですね。今後は特にどういうことに力を入れていきたいですか?
法人にして新規事業を行うことを考えています。企業が定期的に作るコンテンツを外部発注せずに社内でできるようにお手伝いするという動画のインハウス支援で、すでに一部の企業を対象に少しずつ始めています。
また、映像制作のほうは、企業と一緒に長期的な映像の活用プランを練るところからやっていきたいです。写真やデザインなどのクリエイティブ部分も含め、設計するところからやらせていただけると嬉しいですね。映像制作はメディア、写真、文章などが関わってくる複合的なものなので、映像以外の部分もパートナーと一緒に可能な範囲で取り組んでいきたいです。
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