【フリーランスの請求書】書き方を徹底解説!消費税、源泉徴収税額についても紹介
「フリーランスになったけど、請求書ってどうやって作成すればいいんだろう?」と悩んでいませんか?
自動的に給与が支払われるサラリーマンと異なり、フリーランスは仕事が終わったら請求書を作成し、支払いを求める必要があります。
今回は、フリーランスが知るべき請求書の作り方を徹底解説しました。さらに、請求書を送るタイミングや送り方についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
フリーランスの請求書とは?領収書と見積書の違いは?
フリーランスが発行する請求書とは、仕事の報酬や経費を取引先に支払ってもらうために作成する書面です。一般的には、案件の終了時に発行します。
請求書を作成する理由としては、「支払額を明確にすること」が挙げられるでしょう。行なったサービスなどを書面で明記すれば、「〇〇はやってもらってないから、支払えない」など報酬に関するトラブルを避けられます。
一方、取引先にとっても税務調査の際に役立つので、請求書を発行できないフリーランスに難色を示すことも多いです。請求書の具体的な作り方は次項から詳しく解説していくので、チェックしてみてください。
ちなみに、請求書と混同されやすいものとして「領収書」と「見積書」があります。
領収書とは、「商品やサービスを提供した対価として報酬を受け取ったこと」を照明する書類です。
一方、見積書とは「取引前に数量や工程、金額などの取引内容」を提示し、取引先が発注の可否を判断するための書類を指します。
「請求書」「領収書」「見積書」はそれぞれ役割が異なるので、特徴をしっかりと理解しておきましょう。
請求書の作り方
請求書の作り方は、大きく分けて以下3つです。 ・請求書作成サービスを利用する ・WordやExcelで作る ・市販の用紙に記載する
請求書作成サービスを使用すれば、多数のフォーマットから適したものを選んだ後、必要箇所を記載することで作成できます。
自作したい場合は、WordやExcelの利用がおすすめです。次項の「請求書に記載する必須項目」にて、テンプレートや記すべき項目をまとめているので、参考にしてみてください。
請求書を郵送する場合は、市販の用紙を使用するのも良いでしょう。書店や文具用品店などで販売しているので、手書きでの作成を考えている方にぴったりです。
請求書に記載する必須項目
請求書には決まったフォーマットがありませんが、最低限以下15の項目は記載するべきです。
それぞれどのようなことを記載するべきか解説します。
■1.請求の宛先(請求先)
まずは、宛先(請求先)を記載し、請求書を誰に向けて発行するのか明確にしましょう。宛先を記載するときに押さえておくことは、以下3つです。 ・正式名称で記載する ・宛先が会社なら「御中」をつける ・宛先が人なら「様」をつける
宛先は、「(株)ソレクティブ」のように略式で記載するのはNG。必ず、「株式会社ソレクティブ」と会社の正式名称を記しましょう。
また、誤りやすいのが「御中」と「様」のどちらをつけるのかということ。担当者が決まっていない場合は、「株式会社ソレクティブ御中」と会社名の後ろに「御中」を記載してください。
一方、担当者名を把握している場合は、「株式会社ソレクティブ 開発部 佐藤様」といったように人名の後ろに「様」をつけます。「株式会社ソレクティブ御中 開発部 佐藤様」は誤りなので注意しましょう。
最後に会社の住所を記載することも忘れないようにしてください。
■2.請求内容(件名)
請求内容(件名)を記載することで、取引先が何に対する請求をしているのかを一目で把握できます。
例えば、フリーランスライターの場合は「記事企画編集」、フリーランスWebデザイナーの場合は「Webデザイン」などを明記してみてください。
具体的に請求する商品は他の項目で記載するので、大まかな内容を記載するだけで十分です。「請求書に請求内容(件名)は必要ない」という方もいますが、簡単に書類を整理できるのでぜひ記載してみましょう。
■3.請求書番号(通し番号)
請求書番号(通し番号)とは、請求書につける番号です。請求書番号を記載すれば、取引の確認をする際に活躍します。
例えば、請求書と見積書に同じ請求書番号を記載すれば、取引を連動させることが可能です。フォルダで請求書番号を検索すると、同じ案件に関する請求書と見積書がヒットするので、円滑に仕事を進められるでしょう。
請求書番号の書き方にはっきりとした決まりはありませんが、自分なりのルールにしたがって設定することがおすすめです。
「a社は01、b社は02」と取引先に応じて番号を振り分けておくなど、重複しないやり方で決定してみてください。
■4.請求日(発行日)
請求書には、請求日(発行日)として「請求書を発行した日」を記載しましょう。
請求日を記載しなければ、支払日を決定できないうえ、架空の取引をしているかもしれないと不正を疑われるリスクがあります。
請求日は発行した日にちなので、「作成したのは2022年9月20日だけど、取引先に送ったのは2022年9月30日」という場合は、「2022/9/30」と記載してください。
請求日は取引先の締め日に合わせることが多いので、クライアントによってそれぞれ異なります。事前に必ず確認しておきましょう。
■5.支払(入金)期限
支払(入金)期限とは、請求書で明記した報酬を支払ってもらう期限のことです。
たとえば「2022/10/31」と記載した場合は、「2022年10月31日までに支払ってください」という旨を意味します。
支払期限も請求日と同様に、取引先のルールにしたがって記載しましょう。一般的に「月末締めで翌月末支払い」の場合が多いですが、「請求日の10日以内に支払い」といったケースもあります。
請求書の作成を行う場合は、請求日と併せて支払日も事前にチェックしておいてください。
■6.発行者(請求者)
発行者(請求者)として、自身の情報を記載しましょう。発行者の情報としては、以下の項目を記します。 ・名前 ・住所 ・電話番号 ・メールアドレス
「山田太郎、東京都千代田区〜」と羅列するよりも、表などを用いて分かりやすく情報を記載してみてください。さらに、屋号がある場合はそちらも追記しましょう。
■7.品番
取引先に分かりやすく伝えられるように、品目の隣に品番を記載します。品番を記すことで、一目で品目がいくつあるのかを確認できるので、忘れずに明記するべきです。
品番は、品目が複数のときはもちろん、1つしかない場合も記載するのが親切でしょう。フォーマットのような表を作成し、上から「1、2、3…」と記してみてください。
■8.品目
どんな案件を行なって支払いを請求するのか、具体的な品目を記載しましょう。
品目は取引先に分かりやすく伝えるため、「記事企画編集110,000円」と記すのではなく、「企画設計100,000円」「記事執筆10,000円」と数量や単価ごとに分けて明記してください。
「業務委託費」など簡潔に記す方もいますが、後から見返したときに「これは何に対する請求書?」と疑問に思わないような品目を記載するのがおすすめです。
具体的な品目を記載すれば、後日確認しやすいのはもちろん、取引先も安心して支払いを行うことができるでしょう。
場合によっては、取引先から「品目は記事執筆と書いてください」と言われることがあります。取引先のフォーマットが決定しているということなので、意向に沿った請求書を作成してください。
■9.数量
品目の数量を記載しましょう。
■10.単価
品目の単価を記載しましょう。
■11.消費税額
請求書を作成する場合は、「税別金額」「消費税額」「税込金額」のそれぞれを記載するのがおすすめです。実は、消費税を記載しなくても法律上問題ありませんが、その場合以下のような問題があります。 ・振り込まれる金額に間違いが生じるかもしれないから ・請求書を再発行する可能性があるから
消費税額を記入していなければ、取引先は税込金額と税抜金額のどちらを支払えばいいのか判断できません。
場合によっては、「消費税額を記載して再度送付してください」と請求書の再発行を依頼されることもあります。取引先は、控除を受けるために消費税を把握しなければいけないので、トラブルを避けるためにも、消費税額はしっかりと記入してください。
ちなみに、「免税事業者だから消費税は請求できない」と考えている方もいますが、これは誤りです。
免税事業者とは、課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であり、納税義務が免除されている事業者を指します。課税事業者はもちろん、免税事業者も品目に関する消費税を請求できることは押さえておきましょう。
■12.源泉徴収税額
源泉徴収税額とは、取引先が請求者に代わって国に納める税金のことです。
報酬を支払う側が、所得税などを引き抜いて支払う制度(源泉徴収)に基づいた税金であり、取引先が法人の場合は記載しましょう。もし、取引先が個人事業主やフリーランスの場合は、源泉徴収をする義務がないので記載しなくても問題ありません。
源泉徴収の対象となる品目は、以下の通りです。
参照元:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁
フリーランスになりたての方だと、支払われる金額から源泉徴収税額が引かれるため、「予想よりも給与が少ない」とショックを受けるかもしれません。
しかし、法人が源泉徴収するのは法律で決まっているうえ、確定申告を行なえば還付を受け取れる場合もあります。
源泉徴収税額は必要な金額と考えて、思い通りの収入になるように仕事の本数を調整しましょう。
■13.請求金額
請求金額として、税込金額から源泉徴収税額を引いた価格を記載してください。
■14.振込先
取引先がスムーズに支払えるように、振込先として以下の項目を明記しましょう。 ・銀行名 ・支店名 ・口座の種類 ・口座番号 ・口座名義(カタカナ)
振り込んでほしい銀行名と支店名を記載し、普通口座と当座預金口座のどちらかを記載します。
口座番号は間違えやすいので、よく見返して正しい番号を明記してください。
また、忘れがちなのが口座名義をカタカナで記載するということ。「一般的な書類と同じように漢字で書くべきじゃない?」と考えるかもしれませんが、口座名義が間違っていると振り込めないため誰でも読めるようにカタカナを使用しましょう。
振込先の項目は記載することが多いので、表などを用いながら分かりやすく記すように心がけてみてください。
■15.特記事項
特記事項とは、請求に関して特別に記載することがある際に記載する項目です。
料金の値引きや追加料金の発生など、事前に交わした契約以外に変更点がある場合は明記しましょう。
また、取引先へ振込手数料の負担をお願いする場合も特記事項に記載します。請求者と取引先のどちらが振込手数料を負担するべきかは、記事の後半で「請求書作成で気をつけるべきポイント」をチェックしてみてください。
請求書を送るタイミングはいつ?
請求書を送るタイミングは、納品と同時か納品後です。一般的には、月末か月初3~5営業日以内に送ることが多いですが、取引先によってタイミングは異なるので、事前に確認しておきましょう。
ちなみに、フリーランスのなかには「請求書を要求されてから送ればいいか!」と考えている方もいます。
しかし、ほとんどの取引先は声がけを行なわないため、請求書を送付し忘れて報酬の支払いが遅れることも考えられます。報酬の管理は請求者の責任なので、必ず指定された日にちに請求書を送付しましょう。
請求書の送り方は?メールか郵送が一般的
請求書を実際に取引先に送る際、どのように送れば良いのでしょうか。今回はメールと郵送で送る場合をご紹介していきます。
■請求書をメールで送る方法
「請求書は郵送で送らなきゃ!」と考えている方も多いですが、双方が同意をしているならPDFファイルに変換してメールで送付することも問題ありません。
以下に、メールで送付する場合の例文を記載するので参考にしてみてください。
■請求書を郵送で送る方法
企業によっては郵送にて請求書を受け取りたい、という場合もあります。
請求書を郵送する際は、「送付状」と共に封筒で送ります。送付状とは、請求書の概要を記した書類であり、具体的に以下の項目を記載しましょう。 ・宛先 ・送付日 ・差出人情報 ・本文 ・書類枚数
請求書や送付状は三つ折りにして封筒に入れてください。折るときは、請求書の上に送付状を重ね、最初に送付状を見てもらうようにします。
また送るときは郵便物の重さや厚み、サイズを計測し、適した切手を貼りましょう。なんとなくで不適切な切手を貼ってしまうと、金額が不足していた場合に取引先が支払わなければいけないので注意してください。
郵送する準備ができたら、普通郵便で送りましょう。請求書は信書にあたるので、ゆうパックやゆうメール、宅配便で郵送することはできません。
請求書の送り方を誤ってしまうと、取引先に迷惑がかかるのはもちろん、請求者の社会的な信頼を失うこともあるのでしっかりと準備しましょう。
立替経費がある場合はどうやって処理したらいい?
交通費や宿泊費など、仕事に関する経費を立て替えている場合は、請求書とは別途で「立替請求書」を発行しましょう。
立替請求書とは、取引先の代わりに支払いを行なった際、後日金額を請求するための書面です。
一般的な請求書と形式はほぼ変わりませんが、タイトルを「立替請求書」とすることと、「品番」「品目」「数量」「単価」の項目を以下のように記載しましょう。 ・立替えた年月日 ・購入した品目(具体的に) ・購入数 ・単価 ・品目ごとの合計金額
請求日や支払期限は取引先と相談し、トラブルのないように対応してみてください。
請求書作成で気をつけるべきポイント
フリーランスが請求書作成を行う場合、以下2つのポイントを意識しましょう。 ・振込手数料の負担をどちらがするのか ・源泉徴収税や消費税の計算を理解しておく
これらのポイントを押さえれば、「不備があったので請求書を再発行してください」と依頼されることもありません。初めて請求書を作成する方は、特に要チェックです。
■振込手数料の負担をどちらがするのか
振込手数料とは、銀行に報酬を支払う際に発生する手数料を指します。
民法第484条と第485条では、「振込手数料は代金を支払う側が負担する」とされており、通常のビジネスシーンでも請求書を受け取った側の負担になることが多いです。
しかし、「振込手数料は取引先に負担してもらうのが当たり前!」といった考えはNG。必ず、請求書の特記事項欄に「恐れ入りますが振込手数料のご負担をお願いいたします」と記載しましょう。
■源泉徴収税や消費税の計算方法を理解しておく
源泉徴収や消費税の計算方法をしっかり理解しておくと請求金額の間違いや、銀行への入金確認時に金額が合っているかを確認するのに役立ちます。万が一間違いがあったときにはすぐ先方に連絡ができるよう、計算方法を知って、都度チェックするようにしておきましょう。
源泉徴収税額と消費税の計算方法は、以下の通りです。
【源泉徴収税額の計算方法】 ・100万円以下の場合:支払金額×10.21% ・100万円を超える場合:(支払金額 − 100万円)×20.42%+102,100円
【消費税の計算方法】 税抜金額×1.1(1.08)
「■12.源泉徴収税額」の項でお伝えした通り、源泉徴収税額が対象外の品目については支払う必要がありません。請求書を作成した後は、必ず間違いがないようにしっかりチェックしてみてください。
また、平成25年1月1日〜令和19年12月31日の間に発生する源泉徴収税額は、所得税率に復興特別所得税率が加算されます。上記の計算式は加算されていますが、期間外になると異なる計算方法になるので注意しましょう。
フリーランスに請求書は必須!作り方を覚えておこう
フリーランスが知るべき請求書の作り方や請求書を送るタイミングを徹底解説しました。
請求書の発行は、フリーランスになると毎月やってくる作業です。今回ご紹介した項目や、請求書を送るタイミング、気をつけるべきポイントなどを抑えてスムーズな請求書発行ができるようになると、本来の仕事に集中する時間を増やすことに繋がるでしょう。
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